ナオミ・ワッツ プレイズ エリー・パーカー

ELLIE PARKER
脚本・監督 スコット・コフィ
出演 ナオミ・ワッツ  レベッカ・リグ  スコット・コフィ  マーク・ペルグリノ  チェビー・チェイス  キアヌ・リーヴス
撮影 スコット・コフィ  ブレア・マストバーム
音楽 ニール・ジャクソン
編集 マット・チェス  キャサリン・ホランダー
2005年 アメリカ作品 95分
評価☆☆☆


公開初日に観てきました!
だいぶ以前、ある情報筋から、この映画が公開されるという話を聞いて、ちょっと調べてみたけれど、そのときには、映画の内容が分かる情報がなかった。
そのまま、ナオミ・ワッツさんの主演ということだけで、チェック印を頭の中に。
駆け出し女優の役をナオミさんが演じる、ということしか知らずに観に行った。

インディーズ(自主製作)映画にふさわしく(?)、シアター・イメージフォーラムという、小さめの劇場での公開。
雨のせいか、観客は少なめだった。2回目上映に行ったにもかかわらず、特典をもらった。「HEAVEN27」のネイル(じゃないかなあ、と思うが)2本。ソフィア・コッポラのブランドらしい。

原題は「エリー・パーカー」だが、邦題は“ナオミ・ワッツがエリー・パーカーを演じる”という意味になっている。どっちが原題なんだか分からないほど英文な邦題である。

エリーは売れない女優で、オーディションに飛び回る日々。運転しながらセリフの練習をしたり、着替えたり。彼氏とお風呂で××したりして仲良しかと思えば、ばったりと彼の浮気現場に出くわしたり。新しい男との出会いや、同じく未来のスターを目指す女優との友人関係。
事務所の社長役でチェビー・チェイスが出ていたり、キアヌ・リーヴスのバンドが出たりするのもお楽しみ。

最近、マリリン絡みの映画を観ることが多いが、今回もそうだった!
キアヌのバンドのライヴの場面、おしゃべりの中で「マリリン・モンロー」の名前が出てきたのだ。
どういう話で彼女の名前が出てきたのか、はっきり覚えていないのだが…(そんなことでいいのか?)
その前のほうのシーンで、成り切り演技が特徴であるメソッド法の演技レッスンをするところがあって、メソッドといえば、リー・ストラスバーグが広めて、マリリンも生徒だったわけで、私の頭にはマリリンのことが浮かんでいたのである。
そこへもってきて、マリリンの名前が出たからねえ。まあ、それは私だけの連想であるが。

ナオミさんが女優役で、そのオーディションなどの演技を見ていると、「マルホランド・ドライブ」での彼女の演技を思い出す。新人女優、オーディションというのは「マルホ…」と同じシチュエーションだしね。
本作で「マルホ…」で観たような演技を目にすると、改めて「マルホ…」には、ナオミさんの演技のエッセンスが入っていたのではないかという気になる。

帰ってから調べてみたところでは、監督・脚本・共演のスコット・コフィは、「タンク・ガール」(1995年)と「マルホランド・ドライブ」(2001年)でナオミさんと共演しているのだ。2人は意気投合して、16分の短編を2日で撮り、2001年にサンダンス映画祭で公開、さらに4年をかけて長編にしたのだという。
そういえば、エリーの彼氏役のマーク・ペルグリノも「マルホ…」に出ていた。「マルホ…」あっての「エリー・パーカー」だね。

スコット・コフィによれば、「女優志願のヒロインの目を通して、現代のリアルなロサンゼルスを描こうと思った」とのこと。
デジタルビデオの映像で、自主映画の香りがプンプンする。
ナオミさんが女優として有名になりつつ、長編の本作の撮影は重なっていったわけだ。

カメラは、ほとんどナオミさんを撮る。彼女を見て楽しむ映画。ちゃんとした映画(?)では、なかなか見られないであろう、彼女のいろんな表情を見ることができるのは楽しい。
反面、ナオミ・ワッツのプロモーション映画という感も多少あったりして。
彼女が好きでなければ、面白くはない映画だろう。
そんな、いかにもインディーズな、ちょっと変わった作品でした。




〔2006年11月11日(土) シアター・イメージフォーラム シアター2〕


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