長(なげ)えよ!
何回か思った。飽きていた。
実際、2時間24分あったわけで、長いんだけど。飽きたから、長く感じるのだ。
序盤の、建築中の高層ビル(?)の足場を使った追いかけっこで、新ジェームズ・ボンドは超人的な体力を見せるも、高いところが怖い私には「ああ怖い&ボンドしつこいなあ&あんなことできんだろ、ふつう」という感想しか抱けず。
大使館で包囲されて危機一髪。爆発を起こして、どうして自分だけ、ちゃっかり逃げられるのか不思議。
終盤、ベネチア(?)の建物内でのアクション。ボンドが破壊したものが何なのか分からず。それが理由で建物が崩れて沈んでいくらしい。理由が分からないから、建物が沈んでいくのをシラけて見ていた。
彼女が脱出しないわけが分からず。そこまでする必要が、どこにあるのか。感情移入できず。
脚本には、「クラッシュ」「ミリオンダラー・ベイビー」の、あの、ポール・ハギスの名前があるんだけどねえ。
アクションは、すごいといっても、ありきたり。毒を盛られて、もうダメかというところまで引っ張っていって、助かるパターンも、ありきたり。いろいろ、さまざま、ありきたり。
ボンド役のダニエル・クレイグは悪くない。イメージに合わないのではないかと騒がれたわりには、ふつうに見られる。筋骨たくましすぎに、びっくり。おかげで、拷問は、鍛えられないアソコに集中。(そういうわけじゃないか。)
相手役のエヴァ・グリーンは、「ブラック・ダリア」の被害者役を打診されたことがあるようで、なるほど「ブラック・ダリア」でのエリザベス・ショート(ミア・カーシュナー)と雰囲気が似ているような。
色っぽい人妻さん(カテリーナ・ムリーノ)もボンドと「からむ」から、ボンドガール的立場に入れていい。
ソニー・ピクチャーズの作品なので、ノートパソコンはソニーのVAIOの文字が、くっきりと画面に目立つこと! 私もVAIOノートなので嬉しいが。(私のは2000年に買ったので、性能の差は激しくあるはずだけど、それは置いといて。)
ケータイは、もちろん、ソニー・エリクソン。これも目立ったねえ。いまどき、電話といえばケータイだ。通話記録をチェックしたり、もはやケータイはスパイ(映画を作るの)にも必需品か。
原作は、カジノでの勝負はバカラだが、本作でポーカーに変わっているのは、そのほうが分かりやすいからだろう。
とはいえ、手札もろくに見せないし、見せても、勝負がどうなっているか理解できるほどに、ゆっくりは見せないので、ポーカーの面白さは伝わらない。
これはポーカー映画ではないから、ここで余計な時間を食うわけにはいかないのだろうが…。
007映画では、過去、印象に残るものが多い、タイトルバックで流れる主題歌も、印象に残らず。これは痛い。
というわけで、2006年版・真面目すぎる「カジノ・ロワイヤル」よりは、少し前に観た、1967年版・おちゃらけすぎる「カジノ・ロワイヤル」のほうが、数段好き。