ハッピー フィート

HAPPY FEET
監督 ジョージ・ミラー
声の出演 イライジャ・ウッド  ブリタニー・マーフィ  ヒュー・ジャックマン  ニコール・キッドマン  ヒューゴ・ウィーヴィング  ロビン・ウィリアムズ
脚本 ジョージ・ミラー  ジョン・コリー  ジュディ・モリス  ウォーレン・コールマン
音楽 ジョン・パウエル
2006年 オーストラリア・アメリカ作品 108分
ダラス・フォートワース映画批評家協会賞…アニメーション作品賞
ロサンゼルス映画批評家協会賞…アニメーション作品賞
ニューヨーク映画批評家協会賞…アニメーション作品賞
トロント映画批評家協会賞…アニメーション作品賞
ワシントンDC映画批評家協会賞…アニメーション作品賞
英国アカデミー賞…アニメーション作品賞
ゴールデングローブ賞…歌曲賞“The Song of the Heart”
アカデミー賞…長編アニメーション作品賞
評価☆☆☆☆


マリリン・モンローさんの本名であるノーマ・ジーン・ベイカー(またはモーテンソン)から名前をとったと思われる、母親ペンギンのノーマ・ジーンが出演、しかも声の担当がニコール・キッドマンさんだと知って、大喜びした映画を、先行ロードショーで観た!!

じつは予告編を観たときは、ただアニメのペンギンが一羽、ダンスを踊るだけのもので、なんだこりゃ?と思っていたのだった。当然、観る気はなかった。
それが! ノーマ・ジーン=ニコール・キッドマンという、ゴールデンタッグというか最強コンビというか。それが明らかになったとき! マリリン・ファンでありニコール・ファンである者(つまり私だが!)にとっては、ヨダレが流れて失神寸前、望外の喜びだったことは、火を見るよりも明白このうえない事態というか、重大事件であったことは、言うまでもない。

ノーマ・ジーン=ニコール・キッドマンは、映画が始まって、早いうちに歌ってくれる。求婚してくる男(オス)たちの中から、メンフィスを選び夫とするのだ。彼女の息子のマンブルが主役なので、はやいとこ結婚しないと、話が進まないからね。(笑)
ノーマ・ジーンとメンフィスが歌うのは、プリンスの「Kiss」。

寒い中、必死に卵を足の間で温めているのは、オスたち。そうなのか、皇帝ペンギンの子育てって。勉強になる。
メスは海に行ってエサをとって栄養補給。

ノーマ・ジーンの左胸のあたりに、黒い模様がある。それが目印で、他のペンギンとはすぐに区別がつくのがナイス!
マリリンの左頬のホクロを意識したと思いたい。というか、それしかないよね。
皇帝ペンギンの顔は黒っぽいから、黒い模様を顔につけるわけにはいかない。だから胸につけたのに違いない。うん。(と、決めつける。)

ノーマ・ジーンは特別に活躍するわけではないが、いいんです。とにかく、「ノーマ・ジーン=ニコール・キッドマン=優しいお母さん」なんだから!

赤ちゃんペンギンが、めっちゃ可愛い! モコモコなところとか!
赤ちゃんペンギンのグローリアが、孵(かえ)ったばかりの赤ちゃんがドタバタしているのを見て、「マンブル、マンブル(もごもご言う、という意味)」と呼びかけるあたりも可愛い! 調べてみたら、赤ちゃんのときのグローリアの声は、ほんとうに子役が当てていた。アリッサ・シェイファーちゃん、当時7歳か8歳。可愛いわけだ。
「マンブル」といわれた赤ちゃんペンギン、それが名前になっちゃった。

絵のきれいさには感動してしまう。この、きれいな絵を見るだけでも満足できそう。ペンギンの集団が氷の上から水中に次々に飛びこむ場面なども、すごいものです。
ペンギンも景色も美しい! アニメーションならでは。こういう技術の進歩は大歓迎ですね。

大人の皇帝ペンギンは、絵としては、きちんと描かれているから、それほど可愛いというわけではない。ただ、主役のマンブルだけは基本的に、ずっと、子どものときの顔。観客に親しみを持たせるためだろうか。
よく考えると、マンブルだけ顔が違うのは変だともいえるのだが、そんなことはどうでもいいだろう。主人公だし。(そういう問題?)

歌が下手なかわりに、踊るのが最高に上手なマンブル。でも、異端児というものは、保守的な長老たちの理解を得られない。
マンブルは、アデリーペンギンの愉快な仲間アミーゴスたちと知り合い、やがて冒険の旅に出ることになる。
このアミーゴスたちの楽しいコンビネーションが映画を盛り上げる。

雪と氷と海だけの景色の中に、人間が作った機械の姿が見えたときの違和感といったら!
人間が作り出したものが、自然の中で、いかに異様なものなのかを、ペンギンたちの目を通して、はっきりと見た気がする。

終盤での問題提起は、意義深い。
解決は難しいとしても、こうして映画で取り上げることに意味がある
この映画を観て、どうしたらいいのか、と考える人が一人でも多く出てくるならば、それは素晴らしいことなのだ。

今回は先行上映。前売券があるので、もう一度、観てきます!




〔2007年3月10日(土) 丸の内プラゼール〕


映画感想/書くのは私だ へ        トップページへ