ポリス インサイド・アウト

EVERYONE STARES : THE POLICE INSIDE OUT
撮影・監督 スチュワート・コープランド
出演 スティング  アンディ・サマーズ  スチュワート・コープランド
2006年 アメリカ作品 74分
評価☆★


前売券売り場でチケットを見つけて、どんな映画かも知らずに買ってしまった。
いきなり、「ザ・ポリス」だもんね! 喜んだよ。
じつは、ポリスは再結成なのだそうだが、このときは何も知らなかったのだ。

私がポリスを知ったのは、テレビで特集番組を見て。
ビデオクリップを何曲もまとめた紹介番組を、偶然見たのだ。
ギター、ベース、ドラムスという最小限のメンバー3人で作り出す音の、ガシッと固まったタイトさ。レゲエ風な独特なサウンドが心地よかった。
なんともいえず新しい魅力で、いっぺんで気に入った。
アルバムはレンタルしてカセットテープにダビングした。
でも解散後は、特別にスティングを聴く、というようなことはなかった。「ザ・ポリス」が好きなのである。

映画は、ドラマーのスチュワート・コープランドが8ミリカメラで、自分たちのバンドを撮り続けたフィルムをまとめたもの。
曲は、ほとんど断片的にしか聞けず、映し出されたメンバーやスタッフの姿も、「ザ・ポリス」の核心をついたものはなく、プライベートな面では、カメラの前で冗談をやっているようなものが多かった。
見てよかった、知ってよかった、という発見の部分が、観ていても何もないのだ。
コープランドがカメラを持ち出してくると、撮られるほうは「あ、また撮影タイムだ」みたいなことになってしまっていたのではないだろうか。

解散についても、頂点に立ったから、あとは解散するしかない、というニュアンスで終わっていて、観ていて何の驚きもない。
散漫なビデオ映像だけど、せっかくあるのに、もったいないな、無理にでもまとめて映画にしよう、とでもいう感じに思える。

彼らは日本が好きのようで、「ゼニヤッタ・モンダッタ」などという日本語に近いタイトルのアルバムを作り、その中には「ドゥドゥドゥ・デ・ダダダ」という曲もある。
日本語で歌った歌詞、たとえば♪ドゥドゥドゥ・デ・ダダダはオレの言葉さ♪などは今も覚えている。
映画の中での日本のシーンは、ファンの熱狂的なお出迎え場面が多かった。見えるのは、ほとんどが女性のファン。(男が熱狂的に出迎える場面って、見たことがないよね。だいたい、男ならキャーキャー言うわけがないが。)
押しかけられて身動きがとれないくらいでも、やはり出迎えられるほうは、嬉しいものなんだろうなあ。

音楽的に聴くべき点もなく、日常の彼らを見ていても、特に面白くはなかった。




〔2007年4月8日(日) TOHOシネマズ 六本木ヒルズ〕


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