実は、あまり観る気がなかった映画だ。
ただ、評判がいいのは知っていた。
直接、背中を押されたのは、映画ファン友達のKさんから面と向かって(実際に会ったからだけど)、お勧めを受けたからだった。
それに、最近ジェニファー・コネリー嬢の出ている映画を選んで観ているのだが、偶然この映画にも彼女が出演しているせいもある。
まあ、とにかく、ディカプリオなど、どうでもよかった。アフリカでの血塗られたダイヤモンドをめぐってのアクション、というのにも惹かれてはいなかった。
観たのは、銀座シネパトスという映画館。小さな館だ。あまりメジャーではない独自の作品を公開したり、ロードショー公開を終えた映画を引き続いて上映もしている、ユニークな映画館。
最終日の最終回に観たのだが、かなりの混雑だった。人気あるじゃん、と内心驚いた。公開日は4月7日だから、もう2か月も経っているのに。
やはり、いい評判が広まっているのか。
予告編では、「『ラスト サムライ』の監督…」と言っていたので、私などはカチンときていた。エドワード・ズウィックという、れっきとした名前があるだろうが。
ちゃんと名前出せよ、と思ったのだ。
ズウィック監督の名前を出しても知名度が…ということだろうが、失礼でしょう?
「『ラスト
サムライ』の監督エドワード・ズウィック…」と、してもらいたいね。
前置きが長くなった。
…で、おもしろかったよ。
ハリウッド的な娯楽映画として、じつに安定している。で、「ラスト サムライ」のときに感じた印象と似ているのだ。
それなりのスケールと明快なエンタメ性を備えた映画。
ディカプリオは、よかった。ちょいワルで、大人びていた。
この先、少し楽しみにもなった。
「誰が為に鐘は鳴る」を思い出すような場面もあったねえ。
ズウィック監督、往年のハリウッドの、名の通った監督に近いものがあるようにも思える。
ただ、個性がないか。きっちり、まとめあげる手腕は信頼できるが、監督としての色がないように思う。そこが少し、つまらない。色がないのが個性?
単純明快なら、それはそれで、もっとグッとくる何かが欲しいのだった。
よく出来た映画、という面を見れば、本当に出来は良い。
でも、ひねくれ者の私は、もっと、ひねりのある映画のほうが、心を惹かれやすいのでしょうか。
ハリウッド製娯楽映画のお手本として優等生だが、ひねりのない優等生すぎる、とでもいいましょうか。
…と、文句を言ってるように見えるけど、星は3つ半ですからね。
ジェニファーが素敵だったのと、大佐が「ハムナプトラ/失われた砂漠の都」のイムホテップだったのが忘れられない。(笑)