魔笛

THE MAGIC FLUTE
監督 ケネス・ブラナー
出演 ジョセフ・カイザー  エイミー・カーソン  ルネ・パーぺ  リューボフ・ペトロヴァ  ベンジャミン・ジェイ・デイヴィス  シルヴィア・モイ  トム・ランドル
脚本 スティーヴン・フライ  ケネス・ブラナー
撮影 ロジャー・ランサー
音楽 ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト
指揮 ジェームズ・コンロン
演奏 ヨーロッパ室内管弦楽団
編集 マイケル・パーカー
2006年 イギリス・フランス作品 139分
評価☆☆☆


あ、モーツァルトのオペラだ!というだけの知識で即、買ってました、前売券。
いえ、とくにオペラ・ファンというわけではないのですが、ましてや、モーツァルト好きということもなく…。
ただ、オペラは嫌いではありません。テレビで見て、おもしろいと思ったことも。でも、とくにチェックして見るわけでもなく…。ええい、どっちつかずだ!

ケネス・ブラナーが監督。ブラナーといえば、シェークスピア俳優として有名で、シェークスピア作品を映画にするのがライフワークじゃないんだっけ?
それがオペラを、しかもモーツァルトの有名な作品を手がけるとは。
映画を見始めて、少し納得がいった。第一次世界大戦のヨーロッパに舞台を移しているのだ。なんとも大胆なアレンジ。
夜の女王が戦車に乗ってたり。
広大な墓地のシーンがあって、戦争を止めよう、というメッセージも。才気煥発なブラナーさん、こういうところで自己主張するね。

ブラナーさん自身、はじめは、それほどオペラに、なじみはなかったのだそう。それが、芸術活動を支援するピーター・ムーア財団から「誰か『魔笛』を映画化してくれないかなあ」という話があったことから、この映画化になった。
映画好きの人が、この映画でオペラに触れて、オペラっていいなと思ってくれたら本望なんだろうね。
私も、まあまあ楽しみました。

俳優はオペラを歌えないとダメなので(吹き替えじゃないよね?)、知ってる人は出ていませんでした。
真面目なヒーロー、タミーノと、そのコミカルな連れ、パパゲーノのコンビだが、女にもてたことがないパパゲーノを断然支持します!
写真で見たパミーナに一目惚れして、その彼女にもスルリと惚れられるタミーノなんて、ほっといても構わんでしょ。
パパゲーノの前に、かわいいパパゲーナが現れたとき、一緒になれたときは、ほんとに、こっちまで嬉しくなったさ。

「魔笛」のなかで、メロディを知っていた唯一の曲といっていいのが、夜の女王のアリアの2曲目。「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」。
コロラトゥーラという、音を転がすように音程を上下させる歌い方の技巧が、ものすごい。
指揮はアメリカ出身のジェームズ・コンロン。演奏はヨーロッパ室内管弦楽団。

帰宅後、「魔笛」やモーツァルトのことを、ちょっと調べていたら、「フリーメイソン」との関連があった。博愛や親睦を目的にした団体で、モーツァルトも会員だったといわれる。
言われてみれば、「魔笛」に出てくるザラストロのコミュニティは、そんな感じだ。
博愛主義。
で、ザラストロを演じたルネ・パーぺ、誰かに似てるなあと思ってたんだけど…ゲイリー・シニーズ? 船越英一郎? なんだか知ったかぶりっぽい雰囲気だし。
いや、まだ他に似ている俳優、いたかな? あ、萩原流行!?




〔2007年7月14日(土) シャンテ シネ1〕


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