私のホームページの掲示板で、以前この映画が話題になったことがある。
そのときに本作がリメイクであり、オリジナルはカルト作品(一部に熱烈な信奉者をもつような特異な作品)ともいえる存在だったことを知った。
なにしろ、1973年製作のオリジナルは、まだ私は観ていないのだが、ドラキュラ役者のクリストファー・リーが島の親分で、後にボンドガールになるブリット・エクランドがハダカ踊りするらしい。(エクランドといえば、ピーター・セラーズの奥さんだった。「ライフ・イズ・コメディ! ピーター・セラーズの愛し方」では、シャーリーズ・セロンがエクランドを演じていた。)
主役の警官には、エドワード・ウッドワードという俳優が扮する。この人は、私が知らない俳優さん。
脚本が「フレンジー」「探偵<スルース>」(ともに1972年)のアンソニー・シェーファーなのも注目点。
…いつか観てやるぞ。
オリジナルの話はともかく、今回の主演はといえば、ニコラス・ケイジだ。
警官のケイジ(えい、ややこしい)は、元カノから助けを求める手紙を受け取る。行方不明になった幼い娘を探してほしい、というのだ。
外界との接触をほとんど拒否して島民が暮らしている、小さな島。彼は物資輸送の飛行機に便乗させてもらって、その島に降り立つのだが…。
島の主人はエレン・バースティン。私は最近、彼女の映画では「レクイエム・フォー・ドリーム」、「アリスの恋」を観ているが、名女優である。
今度も、貫禄のあるところを見せてくれる。
オリジナル版では、島の主人は男性のクリストファー・リーだから、リメイクは女性上位社会に変更したのか。
女性たちが支配し、男は飼われているかのような様相の社会。しゃべりもしない男たち。
いったい、この島は何なのか!?
ケイジは姿を消した少女のことを島民に聞きまわるが、いっこうに要領を得ない。何かを隠している雰囲気。
やがて彼は、途方もない出来事に遭遇する。
事件の結末の意外性が、面白いといえば面白いのだが、全体的には、どう見てもB級テイスト。
思うに、オリジナルはもっと原始的、野性的な、わけのわからない怖さがあったのではないだろうか。推測で言うのも何だが。でなければ、カルト作品にはなるまい。
今回のリメイクは、しっかり作ってはいるが、なにやら、おとなしいのである。(ハダカ踊りもないしさ…。)
飽きはしないが、盛り上がりもあまりないままに終わる。
ラストは多少、いいのか、これで!?とも思うが…いろんな映画を観てきて、こんなのもあり、というストーリーの「受け入れ幅」が広がっていたせいか、あまり驚かなかった。
「アイズ・ワイド・シャット」で色っぽい小悪魔的な娘を演じていたリーリー・ソビエスキーが、ふっくら大人の女になっていた。
最後の最後に、「スパイダーマン」シリーズのジェームズ・フランコがゲスト出演。