プラネット・テラー in グラインドハウス

PLANET TERROR
脚本・監督・撮影 ロバート・ロドリゲス
出演 ローズ・マッゴーワン  フレディ・ロドリゲス  マーリー・シェルトン  ジョシュ・ブローリン  マイケル・ビーン  ジェフ・フェイヒー  ナヴィーン・アンドリュース  ステイシー・ファーガソン  エレクトラ・アヴェラン  エリーズ・アヴェラン  クエンティン・タランティーノ  ブルース・ウィリス
編集 イーサン・マニキス  ロバート・ロドリゲス
音楽 グレアム・レベル  カール・シール  ロバート・ロドリゲス
2007年 アメリカ作品 105分
GOREZONE誌ホラー大賞…2007年度第1位
評価☆☆☆☆


あー、おもしろかった!!
タラちゃんの「デス・プルーフ in グラインドハウス」のオリジナル版(20分くらい?短い)と本作のオリジナル版2本で1本のツイン上映だった、アメリカ公開版。
私は、2本を別々に観ることになってしまったが…予想通りといいますか、このロドちゃん(ロドリゲス監督)版のほうが楽しかった!
なにしろロドちゃんは、私が大好きだった、あの「シン・シティ」(2005年)の監督さんだしね! 基本が好みのテイストなのかもしれない。

まずは、チェリー・ダーリン(名前からしてB級映画的で楽しい。演じるは、ローズ・マッゴーワン)のセクシーな踊りで幕が開く。
彼女は、ゴーゴーダンサー。だが、踊る彼女の目には、やがて涙が…。
新しい人生を目指すためにダンサーをやめた彼女だが、その先には悲劇が待っていた。生物化学兵器の流出によりゾンビ化した感染者たちに襲われて、右足をなくしてしまうチェリー。

まじめな映画なら、かわいそうすぎる展開だが、がちがちのB級ムービーたる「プラネット・テラー」略して「プラテラ」は、そんなものには負けないのだ!
ちまたでよく見る画像では、脚にマシンガンを装着した絵しかないけれど、彼女、その前には、木の棒をつけて義足にしている。泣いてたって始まらないさ!
いいですねー、テキトーで。
マシンガンの引き金をどうやって引いているのか、なんて野暮な疑問は、ほっときましょう。
どうでもいいんです、そういう映画なんですからっ。

ローズ・マッゴーワンという女優さん、「デス・プルーフ」を観るまで、ちっとも知らなかった。
調べてみたら、私が観た映画のなかでは「スクリーム」(1996年)、「ブラック・ダリア」(2006年)に出ていた。
テレビの「チャームド〜魔女3姉妹」(1998〜2006年)で、人気があったらしい。
「デス・プルーフ」とはイメージが違う(メイクや髪形、髪の色の違いのせいか?)けれど、色っぽくて、いい女。30歳代の熟れた雰囲気が、タマリマセン。

ダブルヒロインの女医さん・ダコタには、マーリー・シェルトン
目のまわりのクマっぽいメイクが、あなたもゾンビ化してるんじゃないの?と思うほどの病的?美しさで、息子を守る母親。
3本の注射器を段階的に患者に刺し、かと思えば敵に対しての武器にもする、その華麗なワザは、背筋が凍りつくほどの…笑えるB級ノリ!
同じ役で「デス・プルーフ」にも一瞬、出てましたね。
彼女は私が観たなかでは、「シン・シティ」や「カラー・オブ・ハート」(1998年)に出演していた。さて、「カラー・オブ・ハート」では、どんな役だったか?

また、短めな出演だった美人さんは、ステイシー・ファーガソン(ファーギー)という人だったのですね。
ミュージシャンでもあるということだが、ちっとも知りませんでした。勉強不足。
映画的には、艶やかさを添えてくれてましたね。

あとは、べビーシッターの双子? エレクトラ・アヴェランと、エリーズ・アヴェランも、けっこうキテました。
女性陣は、こんなところ。

ついでに男のほうは…(笑)
チェリーを愛し助ける、正体がよく分からない男レイに、フレディ・ロドリゲス(わりと正統的に主役。だが、しっかりB級テイスト)。
レズに走った妻ダコタに憎しみを抱く医師に、ジョシュ・ブローリン(ナイスな怪演)。
保安官は、マイケル・ビーン(言われても彼だと分からないほど見かけが変わった?)。
科学者アビーに、ナヴィーン・アンドリュース(テレビシリーズ「LOST」で有名らしい)。
軍人マルドゥーンに、ブルース・ウィリス(こういう映画に出てくれるのが嬉しい。ロドちゃんとは「シン・シティ」で顔合わせ済み)。
そして、チェリーをレイプしようとする変態軍人に、クエンティン・タランティーノ。これは自分の作品「デス・プルーフ」でのバーテン役より、数段インパクトがあった。楽しかっただろうなあ、この、おバカな役、演じていて。

アメリカ公開版には、実際には作られていない映画の予告編が4本ついているそうだが、今回の「プラネット・テラーinグラインドハウス」の前には「マチェーテ」という映画の予告編のみが入っている。これもロドちゃんが作ったフィルムらしい。
神父が復讐の手伝いをしたり、メキシコ人をなめるな!とあったりで、おもしろいし、B級風味がプンプンして笑える。

タラちゃんの「デス・プルーフ」には、スラッシャー(強烈な殺人場面)とカーチェイスをメインに、女の子たちを見せるスマートさがあり、こちらのロドちゃんの「プラネット・テラー」は、べたべたのドラマ展開だが、おもしろさ、てんこ盛りで飽きさせない。
ロドちゃんは監督だけでなく、脚本・撮影・編集・作曲も担当しているが、この音楽が、またサイコー!
公式ホームページで、各項目をクリックすると、いくつかの曲を聞くことができるので、興味のある方はチェックを。
ローズ・マッゴーワンの歌もあるぞ。(映画では3曲?)

エンドクレジット後に、ほんの一瞬のシーンが挿入されているので、できれば、すぐに席を立たずに、最後まで観たほうがいい。
え、これは何だろうと、ちょっと考えてしまうシーンだ。

帰りに、雑誌の「ぴあ」調査隊(公開初日、観客に映画の感想や採点点数を取材する人たち)と遭遇したが、さっさと通り抜けてきた。




〔2007年9月22日(土) 日比谷みゆき座〕


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