あー、おもしろかった!!
タラちゃんの「デス・プルーフ in グラインドハウス」のオリジナル版(20分くらい?短い)と本作のオリジナル版2本で1本のツイン上映だった、アメリカ公開版。
私は、2本を別々に観ることになってしまったが…予想通りといいますか、このロドちゃん(ロドリゲス監督)版のほうが楽しかった!
なにしろロドちゃんは、私が大好きだった、あの「シン・シティ」(2005年)の監督さんだしね! 基本が好みのテイストなのかもしれない。
まずは、チェリー・ダーリン(名前からしてB級映画的で楽しい。演じるは、ローズ・マッゴーワン)のセクシーな踊りで幕が開く。
彼女は、ゴーゴーダンサー。だが、踊る彼女の目には、やがて涙が…。
新しい人生を目指すためにダンサーをやめた彼女だが、その先には悲劇が待っていた。生物化学兵器の流出によりゾンビ化した感染者たちに襲われて、右足をなくしてしまうチェリー。
まじめな映画なら、かわいそうすぎる展開だが、がちがちのB級ムービーたる「プラネット・テラー」略して「プラテラ」は、そんなものには負けないのだ!
ちまたでよく見る画像では、脚にマシンガンを装着した絵しかないけれど、彼女、その前には、木の棒をつけて義足にしている。泣いてたって始まらないさ!
いいですねー、テキトーで。
マシンガンの引き金をどうやって引いているのか、なんて野暮な疑問は、ほっときましょう。
どうでもいいんです、そういう映画なんですからっ。
ローズ・マッゴーワンという女優さん、「デス・プルーフ」を観るまで、ちっとも知らなかった。
調べてみたら、私が観た映画のなかでは「スクリーム」(1996年)、「ブラック・ダリア」(2006年)に出ていた。
テレビの「チャームド〜魔女3姉妹」(1998〜2006年)で、人気があったらしい。
「デス・プルーフ」とはイメージが違う(メイクや髪形、髪の色の違いのせいか?)けれど、色っぽくて、いい女。30歳代の熟れた雰囲気が、タマリマセン。
ダブルヒロインの女医さん・ダコタには、マーリー・シェルトン。
目のまわりのクマっぽいメイクが、あなたもゾンビ化してるんじゃないの?と思うほどの病的?美しさで、息子を守る母親。
3本の注射器を段階的に患者に刺し、かと思えば敵に対しての武器にもする、その華麗なワザは、背筋が凍りつくほどの…笑えるB級ノリ!
同じ役で「デス・プルーフ」にも一瞬、出てましたね。
彼女は私が観たなかでは、「シン・シティ」や「カラー・オブ・ハート」(1998年)に出演していた。さて、「カラー・オブ・ハート」では、どんな役だったか?
また、短めな出演だった美人さんは、ステイシー・ファーガソン(ファーギー)という人だったのですね。
ミュージシャンでもあるということだが、ちっとも知りませんでした。勉強不足。
映画的には、艶やかさを添えてくれてましたね。
あとは、べビーシッターの双子? エレクトラ・アヴェランと、エリーズ・アヴェランも、けっこうキテました。
女性陣は、こんなところ。
ついでに男のほうは…(笑)
チェリーを愛し助ける、正体がよく分からない男レイに、フレディ・ロドリゲス(わりと正統的に主役。だが、しっかりB級テイスト)。
レズに走った妻ダコタに憎しみを抱く医師に、ジョシュ・ブローリン(ナイスな怪演)。
保安官は、マイケル・ビーン(言われても彼だと分からないほど見かけが変わった?)。
科学者アビーに、ナヴィーン・アンドリュース(テレビシリーズ「LOST」で有名らしい)。
軍人マルドゥーンに、ブルース・ウィリス(こういう映画に出てくれるのが嬉しい。ロドちゃんとは「シン・シティ」で顔合わせ済み)。
そして、チェリーをレイプしようとする変態軍人に、クエンティン・タランティーノ。これは自分の作品「デス・プルーフ」でのバーテン役より、数段インパクトがあった。楽しかっただろうなあ、この、おバカな役、演じていて。
アメリカ公開版には、実際には作られていない映画の予告編が4本ついているそうだが、今回の「プラネット・テラーinグラインドハウス」の前には「マチェーテ」という映画の予告編のみが入っている。これもロドちゃんが作ったフィルムらしい。
神父が復讐の手伝いをしたり、メキシコ人をなめるな!とあったりで、おもしろいし、B級風味がプンプンして笑える。
タラちゃんの「デス・プルーフ」には、スラッシャー(強烈な殺人場面)とカーチェイスをメインに、女の子たちを見せるスマートさがあり、こちらのロドちゃんの「プラネット・テラー」は、べたべたのドラマ展開だが、おもしろさ、てんこ盛りで飽きさせない。
ロドちゃんは監督だけでなく、脚本・撮影・編集・作曲も担当しているが、この音楽が、またサイコー!
公式ホームページで、各項目をクリックすると、いくつかの曲を聞くことができるので、興味のある方はチェックを。
ローズ・マッゴーワンの歌もあるぞ。(映画では3曲?)
エンドクレジット後に、ほんの一瞬のシーンが挿入されているので、できれば、すぐに席を立たずに、最後まで観たほうがいい。
え、これは何だろうと、ちょっと考えてしまうシーンだ。
帰りに、雑誌の「ぴあ」調査隊(公開初日、観客に映画の感想や採点点数を取材する人たち)と遭遇したが、さっさと通り抜けてきた。