ALWAYS 続・三丁目の夕日

監督 山崎貴
出演 吉岡秀隆  堤真一  薬師丸ひろ子  小雪  堀北真希  小清水一揮  小池彩夢  須賀健太  小日向文世  温水洋一  マギー  吹石一恵  貫地谷しほり
原作 西岸良平
脚本 古沢良太  山崎貴
撮影 柴崎幸三
編集 宮島竜治
音楽 佐藤直紀
2007年作品 146分
評価☆☆☆★


第1作目は、チケットをもらったので観に行って、なかなかいいじゃんと思った。
今回の続編は初めは、あまり観る気がなかったけれども、あの登場人物たちがどうなるのかな、という興味が多少わいてきて、とうとう観に行ってしまった。
日劇1という大きな劇場で上映だから、人気のほどが分かろうというもの。

まず開巻そうそう、え、これは一体?と驚いた。
東宝映画の大スターがゲスト出演、大暴れだ。
こういう遊びは楽しい。


お話は、相変わらず2つの家族が中心。
売れない作家と小学生の息子の家。そこへ本当の父親(だっけ? もう細かい人間関係忘れた!)がやってきて、息子をきちんと大学まで行かせられないなら引き取る、という。
演じる小日向文世、いろんなところで見るので飽きるが(1月からのテレビドラマでは主役までやるという)、イヤミではあっても、彼の考え方も理解できる。つまり、嫌われ役であっても、悪いヤツではないのだ、この映画の主な登場人物は

作家は奮起、芥川賞を狙って小説を書き始める。
他の賞にチャレンジしないのは、まだ他の賞がなかったのか、芥川賞の賞金が高かったのか、それは私には、さっぱりわからない!(賞、あ、違った、笑)
加えて、作家には、離れていった彼女がいる。彼女との仲がどうなっていくのかも、映画の見どころ。

もうひとつの家族は、夫婦と小学生の息子、住み込みで働く女の子の4人。(上の画像)
そこでは、親戚の小学生の女の子を、しばらく預かることになる。
私が本作で、いちばんよかったと思うのは、この家の息子、一平(小清水一揮)だ。
見知らぬ親戚の子、美加(小池彩夢)が一緒に暮らすと聞いて、嫌がったりしていたのが、だんだん彼女を好きになってしまい…という今回の役柄。
ユーモラスに茶化すような発言で周囲を笑わせることが多く、生き生きしている。

何かの記事で読んだところ、小清水くんは、本当に彩夢ちゃんを好きになったらしく、それが自然に、いい演技になった。
美加が一家と別れていく場面は素晴らしかった。美加とトモエ(薬師丸ひろ子)のやり取りは感動的だし、美加と一平のやり取りは微笑ましい。
別れというのは、どんな小さなものでも、少なからず、いつも胸がチクンとしてしまう。
離れてしまうと、どうしても忘れたり疎遠になってしまうものだが、美加と一平は、どうなるのだろうねえ。

主な登場人物それぞれに、エピソードがあり、話がいろいろな方向に行く。
昔の恋人に偶然出会ったりするのは、ちょっと都合がいい話っぽかったり、同窓会で会った昔の戦友との話は、何だか不思議なものだったり。
そんなエピソードたちを散漫と思わず、おもしろく見て、楽しめばいいのだろう。

この映画、あたたかい人情にひたればいいのだ。
世の中、金じゃない、といっても、この映画の主役である住人たちは、あることで金の力を使おうとする。
だが、それも他人を思いやる気持ちからなのだ。
金の力を使おうとして、それが失敗かと思われたとき、しかし、映画はそこでは終わらない。最終的には、
人情、思いやり、愛>金
なのだった。

寅さんシリーズなき今、このシリーズを続けたらどうか、という声もあるようだが、旅に出ることで、さまざまな話を作ることができそうな寅さんと違って、「三丁目」はシリーズ化できるだろうか。
シリーズ化されたら、気分としては私はあまり観たくない。私は、寅さんシリーズはワンパターンのベタベタな印象があって好きではないのだが、それと同じようになったら嫌だし。




〔2007年11月24日(土) 日劇1〕


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