「ベティ・ペイジ」に続いて試写会が当たった。まさか当たるとは思っていなかったが、前作を1週間前に観ておいて正解だった。
平日は仕事のため、土曜・日曜・祝日に行なわれる試写会しか行けないという、悲しい身の上であることを、応募ハガキで切々と訴えかけたのが幸いしたのであろうか。(笑)
土曜日に、九段会館大ホール、というのは、さすがの大作(なのかな)。
1865年、エイブラハム・リンカーンが大統領だった時。
べン・ゲイツ(ニコラス・ケイジ)の祖父トーマスのもとに、1冊の日記帳が持ち込まれた。
暗号を解読しようとするトーマス。彼は暗号が財宝のありかを示すもので、依頼主が秘密結社の人間であるのを知り、日記を破って焼き捨てようとする。
同じ頃、観劇中のリンカーン大統領暗殺事件が起きる。
時は現代。ベンが講演中、ウィルキンソン(エド・ハリス)という男が現われる。
ウィルキンソンは、失われた日記の一部を持参、そこに、トーマス・ゲイツの名前があり、彼がリンカーン殺害に深く関与していた、と主張する。
先祖に着せられた汚名をすすぐべく、ベンたちの活躍が始まる。
…って、改めて考えてみたら、先祖の汚名をすすぐのに、どうして宝が本当にあることを明らかにするのか、よく分からない。
宝の存在が証明できても、トーマス・ゲイツが宝が依頼者の手に渡るのを阻止するために日記を焼いたのであって、自分の名前があった部分を焼き捨てようとしたのではない、という証明にはならないと思うが…。
日記に先祖の名前が書かれていたわけを、明らかにするべきでは…?
まあ、いいや。もう詳しく覚えてない。
説明できる方、または、これから観てくる方、分かったら教えてね。
今度も、前回と同じパターン。
宝探しの暗号解読は、携帯電話のスムーズな動作のように「サクサク」と進み(ちなみに、妻夫木くんの「サクサク」携帯CMですが嫌いです。まったく、おもしろくない)、横取りしようとする敵も、相変わらず、いらっしゃいます。
終盤、宝のあるであろう場所にたどりついてからアクションがあるのも同じ。バランスゲームみたいな関門(?)は、ちょっとおもしろかった。
新味としては、ベンの母親でヘレン・ミレンが、ベンの競争相手としてエド・ハリスが加わったこと。
とくに「クィーン」(2006年)でエリザベス女王を演じて映画賞を総ナメにしたヘレン・ミレンは、さすがの貫禄。
元・夫役のジョン・ヴォイトと、いいコンビネーションを見せていた。
フランスに行ったり、イギリスに行ったり、ラシュモア山に行ったりで、サービス精神はある。
ライリー(ジャスティン・バーサ)が作家になっていたり、ベンとアビゲイル(ダイアン・クルーガー)の関係に変化をつけていたりして、工夫のあともある。
ラジコン飛行機をあることのために使ったり、暗号解読のための写真を撮るのに奇想天外な方法をとったり、といったところが、おもしろかった。
大統領の、秘密の本(原題)というのも、楽しい創作。世の中に出ていない、いろんな秘密が書かれている本なのだ。
「エリア51」(軍隊が管理するネバダ州の一地区)の項目で、宇宙人遭遇の真実が書いてあったら、そっちのほうがおもしろそうと思うが、ベンにとっては、宝が第一。
よく分からない点も、先に挙げたことの他に、大きなところで2つ。
まず、ヘレン・ミレンがジョン・ヴォイトに教えた暗号解読の謎かけは何だったのか。それに、ベンは、もともとラシュモア山に目をつけてなかったっけ?
次に、最後に、ニコラス・ケイジとエド・ハリスの立場が逆転したのは、なぜ? 流されたせい? あのへんはアクションの動きがよく分からず。もうちょっと考えて撮ってほしかった。
前回と同じく、あまり残酷な場面もなく、ディズニー的な、ファミリー総出の健全ワクワクドキドキが展開する、基本安心アクションアドベンチャー。
前作に引き続き、監督はジョン・タートルトーブ。私には、しっかりした映画を作る監督という印象がある。
オリンピックに出たジャマイカのボブスレー・チームの話「クール・ランニング」(1993年)はおもしろかったし、「あなたが寝てる間に…」(1995年)はサンドラ・ブロック主演で出来のいいラブコメ、ジョン・トラボルタが天才になる「フェノミナン」(1996年)は泣いたなー。
手堅いといえば手堅い。
でも、同じパターンだったら、3作目はちょっと飽きるかな。