マイ・ブルーベリー・ナイツ

MY BLUEBERRY NIGHTS
原案・監督 ウォン・カーウァイ
出演 ノラ・ジョーンズ  ジュード・ロウ  ナタリー・ポートマン  レイチェル・ワイズ  デヴィッド・ストラザーン
脚本 ローレンス・ブロック  ウォン・カーウァイ
撮影 ダリウス・コンジ
編集 ウィリアム・チャン
音楽 ライ・クーダー
2007年 香港・中国・フランス作品 95分
評価☆☆☆


ウォン・カーウァイ、初体験。
なるほど。こういう、おしゃれっぽい映像をつくるんですね。
人物や電車のコマ送りみたいな動き(電車は光の流れのようにもなる)や、店の外から内側を撮って、文字の書かれた窓越しに人物を映すとか。

私の映画鑑賞ルールに漏れず、ナタリー・ポートマン嬢が出ているから観たわけだが。
全体に甘く感傷的なムードだけど、嫌いじゃない。

歌手のノラ・ジョーンズが主演もしていて、これが自然でいい。知らなければ、歌手でなくて女優さんと思っていただろう。
とてもチャーミングな人だ。
ちらっと聞いたところでは、彼女が演技の勉強をしたほうがいいかと監督に聞いたら、そんな必要はない、15歳からステージで歌っているのだから経験は豊富だ、と言われたらしい。

ジュード・ロウの店に通いだしたノラ。このまま仲良くなって…と思いきや。
ノラちゃん旅に出る。
しかも、自分はジュードに手紙を書きたいときに書いて満足しながら、相手には自分の居場所を教えない。このへんは、ちょっと勝手なんじゃありませんか? あなたは受けとめてくれるだけでいいの。なんて。

ロードムービーの形になって、ノラが行く先々で出会うのが、レイチェル・ワイズ
デヴィッド・ストラザーン、ナタリー・ポートマン演じる人たち。

レイチェルの出番は少ないが、道ばたに座ってノラに心情を語るシーンの素晴らしさは、その一場面だけで彼女が出ただけの価値があると思わせるものだった。

それに比べてしまうと、あとで出てくるナタリー・Pは、まだ若いなあと感じられてしまって、損な感じもする。
とはいえ、彼女には珍しく、ちょっとラフな感じを漂わせながら、一方では父親に対する感情をチラ見せしていく演技は、それなりにいい。
ノラとの別れは、あっさりしているが、かえって見ていてキュンとくるし、この2人らしいし、やっぱり、おしゃれだよね、あれは。
やはり、ナタリーには、この先も期待しちゃおう。

そして、ラストのセリフ。これがよかった。
映画サイトのIMDb(The Internet Movie Database)に載っていたので、記憶のためにも最後の行に書いておくが、これから映画を観ようという方は、読んだり訳そうとしないほうがいい。映画を観たときに初めて知るのがいいから。
ラストシーンに、このセリフが重なったときは、グッときて泣けてきた。こんな出会い、したいよ。
レイチェルの道ばたのシーンと、このラストの2つは、よかったなあ。

It took me nearly a year to get here. It wasn't so hard to cross that street after all, it all depends on who's waiting for you on the other side.




〔2008年4月5日(土) ワーナー・マイカル・シネマズ 板橋〕


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