最初は観る気がなかったが、ちまたの評判がよろしいので、チェックしてみようかと。
アメリカ大統領が広場で狙撃される。その事件を、目撃者や関係者それぞれの視点から何回か繰り返して見せる試みが面白い。
時間が巻き戻る方法が、フィルムの逆送りという見せ方なのに加えて、戻った時間が昼の12:00数秒前。分かりやすい時刻が毎回表示されて、ああ、戻ったと確認できるので、とても親切だ。
時間の巻き戻しが数回あったあとは、普通に話が進み出す。ここで様々な謎が解けていくわけだ。
最終的な解決が、偶然による、というのが都合がいいように思える。
つまり、ひとりの少女に関係することだが、なんで彼女があんなところに? そして、なんで、あのクルマがそこへ通りかかるか? という疑問。
ここは、ちょっと安易ではないか。そんなこともあるさ、で済ませるには。
シガーニー・ウィーバーがテレビ局のディレクター役。ゲスト出演的に少ししか出ない。
それよりも、リポーターの女性がかわいそうだった。何も、ああいうふうにする脚本上の必要はないのに。
大統領が撃たれても報復しなかったところは、一瞬、やるじゃんアメリカ、といいたいが、カッコつけてんなよアメリカ、映画でなくて実際問題だったら、即、報復するんだろ?とも思えてしまいそう。
それに、ビデオカメラで撮影していたフォレスト・ウィテカー。怪しい男を追いかける警備の人間を、これまた追いかけて撮影するという根性が、そこまでするか?という疑問にならないでもない。
ビデオ映像を、警備のデニス・クエイドに参考にされた直後だから、調子にのって、もっと協力しようとしたのかもしれないけど。
それとも、好奇心の固まりな人なのか。
それにしても、あの狙撃方法には驚いた。
あれが可能なら、これから実際に使われてしまうのではないだろうか。
90分にカシッとまとめた点はスッキリ。(というか、時間を延ばしようがないのか?)
カーチェイスも、けっこう魅せてくれる。
この監督はテレビ出身で、劇場映画は初めてっぽいが、及第点はクリアといえる。
音楽担当もテレビ界の人らしく、そうすると、これは規模の大きなテレビ映画といってもいいような…?
時間の巻き戻し、繰り返し、ということが、この映画のミソ。