ボー「きょうは、七浜高校合唱部ソプラノパートリーダーの、荻野かすみ(夏帆)さんにお話をうかがいます。はじめまして! よろしくお願いします」
かすみ「はじめまして。よろしくお願いします」
「私はミュージカルも好きですし、音楽が重要な位置を占める映画は、だいたい好きなんです。ちょっとベタな映画ではありますが、合唱、いいですよね」
「でも、映画を観てもらって分かるように、私は歌ってる私が好き、なんて自己陶酔してたんですよ」
「好きな人に、歌っている顔の写真を、産卵中のシャケみたいだ、と言われて大ショック、自信をなくして、歌う顔を見せるのが恥ずかしいと思ってしまいます。さらに、かすみさんを嫌っているレナ(岩田さゆり)にもネチネチと言われて」
「はい、すごく落ち込んでたんですけど、湯の川学院高校合唱部の『15の夜』を聴いて、感情がビシビシ伝わってくるのに感動して、部長の権藤(ゴリ)さんにも叱咤激励されて立ち直ったんです」
「心を正直に、ハダカに、ってことで、フルチーンですよね(笑)。
落ち込んで泣いているかすみさんに対して、おじいちゃん(間寛平)は何も言えずにいます。でも、あれは良かったです。気のきいたことが言えなくても、そこにいてくれるだけで、きっと、いいんだなと。あとで、おじいちゃんがくれる、シャケがクマをくわえてる彫り物なんて最高ですね!
で、話を戻しますと、結局、あたしは歌いたいんだ!って。顔を気にしてたら、心から歌えませんよね。シャケでもいいじゃないですか」
「そうですよね! …って、フォローになってます?(笑)」
「ええ(笑)。ところで、ノーランズの『ダンシング・シスター(I'm in the Mood for Dancing)』を合唱で歌う場面がありますね。この曲がヒットしたとき、私はリアルタイムで好きだったので、こんなところで耳にして嬉しかったのですが、振り付けありの合唱で。あれは驚きました。湯の川学院が歌う尾崎豊もそうですが、合唱って、なんでもありなのか、と」
「すごく幅が広いですよね。楽しいものもあれば感動的なものもありますし、童謡から新しいポップスまで」
「映画では、“根っこ”という歌詞を繰り返すのが印象的な『待ちぼうけ』、“なぜ、さかのぼれないか”という、これはシャケがらみなんでしょうね(笑)、『合唱組曲「水のいのち」より「川」』、尾崎の『15の夜』、ゴスペラーズの『青い鳥』、MONGOL800の『あなたに』、などバラエティに富んでいます。
どれも素晴らしいですが、喫茶店で楽しく歌う『私の青空』の場面も好きでした。舞台で歌うのではなくて、リラックスした雰囲気で、ほのぼのして、素敵な息抜き感がありました」
「ありがとうございます。やるぞー!って感じで合唱するのもいいけど、自然に口ずさんでしまうのが歌の楽しさですよね!」
「そのとおりだと思います。この映画を観て、私も合唱やりたい!と思った人も多いのではないでしょうか」
「そうなら、うれしいですね!」
「それから、合唱部顧問の瀬沼先生(薬師丸ひろ子)なんですが、ちょっと不思議なキャラですよね。意外な過去。どうして先生に?っていう」
「私の相談にも乗ってくれて。いい先生なんです」
「ピアノ担当のミズキ(徳永えり)さん、部長の楓(亜希子)さんとは、ずっと仲良しなんですか?」
「はい、ずっと!」
「好きな人、牧村(石黒英雄)くんとは?」
「えーっと…はい! シャケ好きみたいです」
「よかったですね!
映画は、歌のところだけ吹き替えにするか、という話もあったそうですが、みなさんの努力の結果、吹き替えなしで見事な合唱を聴かせていただきました。歌の力にあふれた作品、楽しかったです。
ラストの大合唱、ベタですが、すごく感動的でよかったですよ!
きょうは、どうもありがとうございました! かすみさん、かわいくて好きです」
「ありがとうございました! ボーさん好きです!」