ザ・マジックアワー

脚本・監督 三谷幸喜
出演 佐藤浩市  妻夫木聡  深津絵里  綾瀬はるか  西田敏行  小日向文世  寺島進  戸田恵子  伊吹吾郎  柳沢愼一  香川照之  近藤芳正  甲本雅裕  市川亀治郎  市川崑  鈴木京香  谷原章介  寺脇康文  天海祐希  唐沢寿明
撮影 山本英夫
編集 上野聡一
音楽 荻野清子
2008年作品 136分
評価☆☆☆


港の町、守加護(すかご)。クラブの支配人の備後(妻夫木聡)は、ギャングのボスである手塩(西田敏行)の情婦マリ(深津絵里)に手を出した。
それがばれてしまい、ボスの手下たちは備後とマリの逢引き現場に乗り込む。備後発見! ビンゴ!

殺されそうになる2人だが、ボスがデラ富樫という殺し屋を捜しているのを知った備後は、とっさにデラは知人なので連れてくる、と嘘を言う。
命をながらえた備後たちだが、デラ富樫は知り合いでもなんでもない。
困った備後は、映画の撮影に見せかけて、売れない俳優の村田(佐藤浩市)に、デラ富樫を演じてもらおうとする…。

三谷幸喜監督のコメディ。三谷さんらしいといっていいのか、よく知らないが、ほのぼの系で、じつに、まっとうな感じ。(というのが正しい表現か分からないが。)
自分は映画でデラを演じていると信じ込んでいる村田と、彼がデラだと思っているギャングたちとの「すれ違い」の笑い
その間で右往左往する備後たち。

たしかに、おかしくて声を出して笑えたところもあった。映画への愛も感じる。
だけど…ゆるい、というか、平板というか、だらんと続くというか。もう少しピシッピシッとしたところが欲しい。
まったりしちゃって、あとに印象に残ることがないような…。

女優陣の魅力が弱いのもある。深津絵里さんは、まったく私のタイプじゃないし(個人的な問題だが)、綾瀬はるかさんは、そもそも出番が少ない。
印象からすれば、戸田恵子さんのほうが、よっぽど大。いいとこ取り。
といっても、戸田さんがしょっちゅう衣装替え、早替わりまでしていたことには、映画鑑賞後に雑誌で読むまで気づかなかった…。

劇中映画も「カサブランカ」のパロディっぽく、それでもいいけど平凡

監督が語る元ネタは、このページ(http://www.varietyjapan.com/interview/2k1u7d000002xqd0.html)を(ページが存在する限り)参考に見てもらうとして…。(監督が語っていた中で、私が一番笑えたのは、伊吹吾郎=グルミット、というところ。)

ビリー・ワイルダー監督好きの三谷さんがお好きで、マリリンが出演している映画「お熱いのがお好き」のパロディもあるか?と思って観ていたが、似ているのは、すかご(シカゴ)の町のギャングが出てくることくらいか。
西田さんなどは、「お熱いのがお好き」に出てくるギャング、スパッツ・コロンボみたいに、スパッツはいてたっけ?(注意して見てなかった。)
「完璧な人間はいない」の名ゼリフは出てきましたね。

柳沢愼一のガンさばきは素晴らしかった。
市川崑監督のゲスト出演(出演作として遺作になるのか!?)も見逃せない。「黒い101人の女」なんて映画、検索しそうになった…というのは嘘。2002年に小泉今日子さんが出たドラマ「黒い十人の女」を見て、そのオリジナルの映画も見ていたから。

パーツパーツは、いろいろと面白くて悪くないんだけど、まとまって後で振り返ってみると、私にとっては優等生過ぎるのか記憶に残らず、まあまあか、というくらいの印象なんだよねえ。




〔2008年6月14日(土) TOHOシネマズ 六本木ヒルズ〕


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