ナオミ・ワッツさんが出ているので、それだけで、観るのは決定していた映画。
でも、某「この映画がすごい!」誌で、ヴィゴ・モーテンセンのチ○コが! ×ン×が! と連発されていたので、すっかり興味がソッチ方面にイってしまっていた。(爆)
ロンドンに巣食う、ロシアン・マフィアの話。
ナオミちゃんは看護師。身元不明の若い母親が赤ん坊を産むが、母体は助からず亡くなってしまう。赤ちゃんのために母親のことを知りたいナオミちゃんは、母親の持ち物の中である日記帳を手に取る。しかし、それはロシア語だったため、ナオミちゃんは、ロシア人の伯父に翻訳を頼む。
一方で彼女は、日記帳にはさんであったレストランのカードを見て、その住所を訪ねるが…。
イースタン・プロミスとは、「イギリスでの、東欧組織による人身売買契約」のことだという。ロシアや東欧の貧しい女性に、いい暮らしを約束(プロミス)する、と見せて、じつは売り飛ばすのだ。
映画にも売春宿が出てくるが(マッサージ・パーラーやサウナとして営業しているらしい)、そこで働かされている女性たちは売られてきたというわけ。
ロンドンで、こんな実態があるとは知らなかった。
ヴィゴもナオミちゃんも、その他、俳優陣は渋くて、うまくて、文句はないんだけど、話として何が素晴らしいのかが分からない。
おもしろくて楽しければいいというような話ではなく、シリアスものだから、胸を突いてくるような感動とか、特筆すべきところがなければ、フツーだなあ、というしかないので…。(もちろん私がそう思うだけのことですよ。)
いやー、しかし渋い。ヴィゴ、渋いですよ。
ヴァンサン・カッセル演じる、ボスの息子についている運転手の役だが、イロイロな意味でダメダメな、ぼんぼんの息子を支えている実力派。
体じゅうタトゥーだらけ。刑務所に入ったりするとタトゥーをいれ、履歴書みたいな意味もあるとか。映画では、組織の兄弟分(?)になったときに、儀式のように、タトゥーをいれてました。
ぼんぼんヴァンサンに連れられて行った(のであろう)売春宿で、ヴァンサンに無理やり女と交われと命令されて関係した女に対して、事後、名前を聞いて、死ぬなよ、と一言。もしかして、優しい人…?
しばらく後に、ヴァンサンの口から、この女がどうなったかが分かる仕組みになっている。
私は、この映画で、ここが一番よかったなあ。
サウナでの格闘。ここでヴィゴはナイフを持った2人の男と闘う。
ヴィゴはハダカでいるので、ケガをすると赤い血がモロに分かる。服を着ていないから、ナイフがかすっただけで皮膚は切れるだろう。武器もない。究極の劣勢。その怖さ。それを見せたかったのか、クローネンバーグ監督。
ヴィゴのチ○コは、素っ裸で乱闘しているわりには、しっかりとは見えず、消化不良。(なんで?)
一部が、ちらほら、です。(「この映画がすごい!」、騒ぎすぎ!)
でも俳優って大変。あそこまで、さらすのだから。
「歴史に残る格闘シーン」と、どこかにあったが、それほどとは思わず。
ナオミちゃんの伯父を演じたのが、イエジー・スコリモフスキーだと、あとで知って、びーっくり!
ポーランドの監督さんで、彼の作品「早春」(1970年)は、私がもう一度見たい幻の映画ナンバー1なのである。
ヴィゴ、ナオミちゃん、ヴァンサン、マフィアの親分を演じたアーミン・ミューラー=スタール、イエジー、イエジーの妻を演じたシニード・キューザック…俳優は、ホント、みんな、いいと思う。俳優は。
でも、映画って、俳優がいいと感じるだけでいいものではないでしょう?