「スティーヴン・キングの2007年映画ベスト10」の第10位にあったことで、私はこの映画を知った。
「クラッシュ」の脚本・監督、「ミリオンダラー・べイビー」の脚本などを担当したポール・ハギスが本作の脚本・監督なので、きっと、しっかりしたストーリーに仕上げているだろうと思いつつ、観に行った。
まさに、そのとおり。イラク戦争がらみの話なので、かなり社会派で問題提起のある作品。がっちり作り上げられていて、重いテーマ。
戦争批判にもなっている。
軍隊に入っている息子が行方不明になったという知らせを受けたトミー・リー・ジョーンズ。
(最近テレビCMでは宇宙人だが、この映画では人間。当たり前だ。)
彼も昔は軍人だったので、訪れた基地では丁重に扱われる。
近くのモーテルか何かに泊まって、息子を捜す彼だったが、基地の周辺で殺人事件が起きて…。
原題は「
エラの谷で」。エラの谷とは、旧約聖書にある、イスラエルの少年ダビデが巨人ゴリアテを倒した話の舞台となった場所。
なぜ、この話が関係あるのかは、映画を見て理解するのがいいと思うので、ここには書かない。
何のために他の国の戦争に行かなければならないのか? 自国のため? 死という高すぎる代償を払う価値は?
戦争の場で、人は人でいられるのか。 父の悲しみ、母の悲しみは、何によって報われるのか。何によって癒されるのか。
声にならない叫びが聞こえてくるラスト。
いい映画だけど、重たいよ…。地味で真面目で重い。感動というのとは少し違うし、楽しめるというのとも違う。
価値のある素晴らしい映画であるのは間違いないが。
描写も、ていねい。トミー・リーの、きっちりした性格の表現なんて、細かいのなんの。
前日に観た「スピード・レーサー」に続いて、母親役でスーザン・サランドンにお目にかかったのは驚いた。
楽しい映画から重たい映画まで、
振り幅の大きい2作に出演、さすがですね。
観ている私も、振り幅が大きいわけだけど。
忘れちゃいけない!
シャーリーズ・セロン嬢が出ていることを。だから、この映画を観たんです!
これがまた、地味な警官の役。子持ちの独り者。署内では男どもにからかわれてるような。セクハラでしょうが。
しまいには、鼻をケガしてバンソーコーを貼ってる。
でも、きれいなんですよ。もとがいいから、そんな格好でも絵になるというか。
私は演技派なのよ、と見せつけてくれました。鼻も実もある、いえ、花も実もある女優さん。
なにしろ私は、彼女の記者会見に出席したんだもんね!(まだ言ってる。)
(それについての記事は、
こちら。)
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