小泉今日子さんと大後寿々花さんが話をするシーンが終盤にある。
とても不思議な感覚…でも、思い出すと、なんだか泣けてしまう。ああ、やさしいなあ、この映画は。
そのあと、元気に楽しくもなれるかも。
公開初日、渋谷のシネマライズで舞台あいさつがあると知ったが、すでにチケットは売り切れ。
その後、調べてみると次週13日にも、3か所で舞台あいさつがある予定だという。チケット発売日は、公開初日と同じ6日。チケットぴあ店頭に並んだ。
運よく、舞台あいさつの回の鑑賞券を入手し、その足で映画館のシネカノン有楽町2丁目に行った。上映30分前に着いたが、先着特典のメイキングDVDは品切れ! かなり残念。どなたか持ってたら見せてー! またはダビングしてー! または、ちょうだいー! (おいおい!)
(追記:後日、あるルートから入手しました! ありがとうございます!)
初日初回、ほぼ満員っぱい。これは猫人気か、小泉人気か、上野樹里人気か、加瀬亮人気か。はたまた…。
私は原作漫画は、まったく知らないが、原作者の大島弓子さんは、映画にするなら主演は小泉さん以外ダメ、と言ったそうだ。
小泉ファンである私は、じつをいえば演技者としての彼女が素晴らしいのかどうか分からない。
大昔(?)から、慣れ親しんでいるせいかもしれない。
たとえば、テレビでナレーションの声を聞くと、誰なのか分からない場合があるが、小泉さんがやっていると、これは一発で分かる。やわらかい、ゆったりした声。
つまり、彼女の演技を見ても、どうしても、強烈に、それは小泉さん、として見てしまうわけで、客観的に見るのが難しいのだ。
でも今回は、自然な演技がいいなあと思った。
愛猫サバが息絶えているのを見つけたとき、彼女は大げさに泣くことをしない。
きっと小泉さん自身と、この役柄は、かなり、かぶっている。
だから、自然に反応している。
これはファンの買いかぶりではないはず。
ふんわりと、力を抜いた透明感で、でも寂しさとともに、しかし強力に、そこに存在している。
彼女は、そういう自分をスクリーンに映した。
上野樹里さんの、作品によってガラリと違う、役柄への入り込みぶりは評判だが、本作では漫画家先生を尊敬するアシスタント役を好演。
魅力的な女優さん。純粋さが全面に出ていて、応援したくなる。
森三中の3人は、まあ許せるけど、許せないのは楳図かずお。いらないところにも出てくる。
しかも、雲まで楳図氏の漫画キャラになるとは。この映画、何か楳図氏に義理でもあるのでしょうか。
と思ったら、映画の舞台である吉祥寺に、氏の家があるんだっけ。特別待遇みたいなものか。はあ…。
もうひとつイヤだったのが、加瀬亮が小泉さんのことを「あんた」と呼ぶこと。いったい何様のつもり?
私にとって「あんた」は相手を見下げて呼ぶ言い方。腹が立つ。
こんなヤツを好きになるなよ、小泉(漫画家先生)さん。
猫のグーグーは、もう猫好きなら目尻が下がりっぱなしで見てしまうはず。
ただ、ニャンコ・ムービーのつもりで観にくると、思ったより猫のシーンが少ないと不満に感じるかもしれない。
武蔵野市のPRに貢献したとして、小泉さんたちに「武蔵野市友好市民証」が贈られたことで分かるように、映画の中で、吉祥寺の街の風景がたくさん登場するので、なじみがある方は、見ていて楽しいだろう。
映画紹介で言われているとおり、やさしく、ふんわりした雰囲気の中で、(猫と)生きることを見つめた秀作だと思う。
特に、飼い猫を亡くした経験がある人は、きっと心に響くものがあると思うので、観てほしいなあ。
ああ、猫を飼いたい!!