ウォンテッド

WANTED
監督 ティムール・べクマンべトフ
出演 ジェームズ・マカヴォイ  アンジェリーナ・ジョリー  モーガン・フリーマン  トーマス・クレッチマン  テレンス・スタンプ  コモン  クリステン・ヘイガー  マーク・ウォーレン
原作 マーク・ミラー  J・G・ジョーンズ
原案 マイケル・ブラント  デレク・ハース
脚本 マイケル・ブラント  デレク・ハース  クリス・モーガン
撮影 ミッチェル・アムンドゼン
編集 デヴィッド・ブレナー
音楽 ダニー・エルフマン
2008年作品 110分
BMIフィルム&テレビ賞…音楽賞
エンパイア賞…SF・ファンタジー・スーパーヒーロー部門
評価☆☆☆★


「ウー…ウォンテッド!」といえば、ピンクレディー。(と書いた人いるでしょー? あ、私もか。)
この映画、アンジー(アンジェリーナ・ジョリー)が出るから観たわけで(いつもながら観る映画の基準の多くは女優である)、予告編は観たけど、他の情報は何も頭に入っていなかった。
結果は…うーむ、こんなもんか

今回の文章、わりとネタばれするかもしれないが、まず、いちばん気にいらないことをいえば、列車事故で大勢の人間を意味なく殺して、悪いことをしたとか、後悔の念を見せるとか、なんのフォローもしていないこと。
映画だからいいのか、荒唐無稽な筋書きだからいいのか、似たようなシーンがある映画で、もしかして私も気にならないものもあるのかもしれないが、今回は気になった。

それから、暗殺者の訓練で、やたらと大ケガをしていること。命にかかわるケガでも、だいじょうぶだよん的グッズ(?)があるからいいわけだが、暴力的にすぎる
人を殺すようなファイトを軽々しくやって、見せて、おもしろいか?

ついでに挙げれば、ラストだって、罪がないかもしれない連中を巻き添えにしつつ本拠に乗り込む。それで、いっぱしの暗殺者か? その仕掛けにしても、よく1人で準備できたなと、うそっぽい。あれで爆破できるのも都合がいい…と、現実じゃない話、大嘘を堂々とやってるタイプの映画に対して、気にいらないとなると、おかしな点を挙げるのにキリがなく、そんなこと言っちゃおしまいよ、であるが。

監督・脚本など、スタッフの考えが足りないのか、たいそうノーテンキなのだろう。
それとも、あえて無視して、ただ面白そうに作ったわけか。

とはいえ、アンジーのカッコよさは、さすがで、余裕と自信に満ちた姉御の貫禄
彼女は、アカデミー助演女優賞をとった、私も好きな作品である「17歳のカルテ」(1999年)のときから、すでに、かっこよかったもんね。
へなちょこマカヴォイが、オレは暗殺者なんかヤダ、といって帰るときに、笑顔を浮かべて帰り道をあけてやったアンジー姉、最高です。

マカヴォイに殴られてKOを食らう会社の同僚が、やられながらも「あいつ(マカヴォイ)はスゲーやつだぜ」とか繰り返すなど、ユーモア感覚が、ところどころ見受けられたのはいい
アンジー・ファンが見逃せない映画なのと同じく、マカヴォイ・ファンにも見逃せない映画ではありましょう。(あ、それをいったらフリーマン・ファンとか、クレッチマン・ファンとか、スタンプ・ファンもか。)

ベクマンベトフって、変な名前の監督だなと思ったが、ロシアの人?
この映画を作るにあたっては、「マトリックス」を意識したみたいですね。そういわれても私はピンとこない人ですけど。
敵役のトーマス・クレッチマン(最新版「キング・コング」の船長さん)、よかったね。
音楽がダニー・エルフマンだとエンドロールで知った。ティム・バートン監督作品などでは、聴いたら彼の音楽と分かるようなスコアを書くけど、今回は、分からなかったなあ。




〔2008年9月20日(土) ワーナー・マイカル・シネマズ 大井〕


映画感想/書くのは私だ へ        トップページへ