「ウー…ウォンテッド!」といえば、ピンクレディー。(と書いた人いるでしょー? あ、私もか。)
この映画、アンジー(アンジェリーナ・ジョリー)が出るから観たわけで(いつもながら観る映画の基準の多くは女優である)、予告編は観たけど、他の情報は何も頭に入っていなかった。
結果は…うーむ、こんなもんか。
今回の文章、わりとネタばれするかもしれないが、まず、いちばん気にいらないことをいえば、列車事故で大勢の人間を意味なく殺して、悪いことをしたとか、後悔の念を見せるとか、なんのフォローもしていないこと。
映画だからいいのか、荒唐無稽な筋書きだからいいのか、似たようなシーンがある映画で、もしかして私も気にならないものもあるのかもしれないが、今回は気になった。
それから、暗殺者の訓練で、やたらと大ケガをしていること。命にかかわるケガでも、だいじょうぶだよん的グッズ(?)があるからいいわけだが、暴力的にすぎる。
人を殺すようなファイトを軽々しくやって、見せて、おもしろいか?
ついでに挙げれば、ラストだって、罪がないかもしれない連中を巻き添えにしつつ本拠に乗り込む。それで、いっぱしの暗殺者か? その仕掛けにしても、よく1人で準備できたなと、うそっぽい。あれで爆破できるのも都合がいい…と、現実じゃない話、大嘘を堂々とやってるタイプの映画に対して、気にいらないとなると、おかしな点を挙げるのにキリがなく、そんなこと言っちゃおしまいよ、であるが。
監督・脚本など、スタッフの考えが足りないのか、たいそうノーテンキなのだろう。
それとも、あえて無視して、ただ面白そうに作ったわけか。
とはいえ、アンジーのカッコよさは、さすがで、余裕と自信に満ちた姉御の貫禄。
彼女は、アカデミー助演女優賞をとった、私も好きな作品である「17歳のカルテ」(1999年)のときから、すでに、かっこよかったもんね。
へなちょこマカヴォイが、オレは暗殺者なんかヤダ、といって帰るときに、笑顔を浮かべて帰り道をあけてやったアンジー姉、最高です。
マカヴォイに殴られてKOを食らう会社の同僚が、やられながらも「あいつ(マカヴォイ)はスゲーやつだぜ」とか繰り返すなど、ユーモア感覚が、ところどころ見受けられたのはいい。
アンジー・ファンが見逃せない映画なのと同じく、マカヴォイ・ファンにも見逃せない映画ではありましょう。(あ、それをいったらフリーマン・ファンとか、クレッチマン・ファンとか、スタンプ・ファンもか。)
ベクマンベトフって、変な名前の監督だなと思ったが、ロシアの人?
この映画を作るにあたっては、「マトリックス」を意識したみたいですね。そういわれても私はピンとこない人ですけど。
敵役のトーマス・クレッチマン(最新版「キング・コング」の船長さん)、よかったね。
音楽がダニー・エルフマンだとエンドロールで知った。ティム・バートン監督作品などでは、聴いたら彼の音楽と分かるようなスコアを書くけど、今回は、分からなかったなあ。