僕らのミライへ逆回転

BE KIND REWIND
脚本・監督 ミシェル・ゴンドリー
出演 ジャック・ブラック  モス・デフ  ダニー・グローヴァー  メロニー・ディアス  ミア・ファロー  シガーニー・ウィーヴァー
撮影 エレン・クラス
編集 ジェフ・ブキャナン
音楽 ジャン=ミシェル・ベルナール
2008年作品 101分
評価☆☆


おもしろくなかった。
レンタルビデオ店員とその友人が、磁気のために中身が消えてしまったビデオの代わりに、自分たちで映画を作るという話で、その手作りリメイク版が楽しく面白くできているかなと思っていたが…。

映画を作り直すといっても、まるで学芸会で、程度も低い。観ていて、感心したり楽しいなと思ったりするところが、まったくないのが痛い。もうちょっと工夫できないものか。
決して、「映画好きなら楽しめる」映画ではない。私は楽しくなかったから。

手作りリメイク場面にしても、ほんの少しずつ、いろんな映画を小出しにしてしか見せないし、第一、あんな作り直しビデオを誰が喜んでカネを払って見て喜ぶか。映画の中では喜ばないと話にならないから喜んでたけど。あれが面白いとしたら、私とは感覚が違うとしか思えない。
まあ、1日1ドルのレンタル料だから、いいかもしれないが。(100円くらい?)(あ、手作りリメイク版は、もっと高くしてたっけ?)

収穫は、メロニー・ディアス嬢。はじめは、なんだか、へちゃむくれた娘だなあと失礼ながら思ったが、映画作りの仲間にスカウトされてから、撮影をリードするほど生き生きと活躍してくる。
これまで、まったく知らなかった女優さんなので、ここで知り合えたのは、よかった。

あとは、なつかしのミア・ファローさん(「オーメン」〔2006年版〕に出てたけどね。)や、ベテランのダニー・グローヴァー(年とって、やせたと思うのは気のせいか?)に会えたのはグッド。

例によって気に入らないとなると、突っ込みどころは、ことごとく文句のタネになる。
発電所に忍び込むことからして、バカ。人間に電磁波を帯びさせるための手段でしかないでしょう。かろうじてジャック・ブラックだから許せるキャラか。

繰り返しになるが、手作りリメイク映画のシーンのレベルが低いこと、短すぎること。主役2人とは別に、いきなり映画作りに参加していた男は何なのか説明がない(どこかですでに出てきた人物なら、私の見落としですが)。これも先ほども書いたが、なんといっても、あの内容が客に受けるとは思えない。理解不能。私だったら怒る。カネ返せ、となる。
ファンタジー映画なら、有り得ない、があってもいい。けど、これはフツーの映画でしょ? あ。ファンタジーなの? 最初っから、うその話? 違うよねえ。自信なくなってきたけど。

最初に作られた手作りリメイク版が「ゴーストバスターズ」だったが、その本物作品に出演していたシガーニー・ウィーヴァーが映画に登場してくる。
でも、「ゴーストバスターズ」にからんで何かネタがあるわけでもなく、ただ、出ているだけで、楽屋オチの初歩にもならない

ラストは少し、ほんのりするけど、それまでがイケなすぎて、たいした感動にはならない。手作りリメイク映画を作った連中への、見当はずれの、なぐさめ程度にしか感じない。
こういうのを、映画愛にあふれた映画とは思わない。子どもが稚拙に映画の真似っこをして遊んでるようなもの。

ブログに使った画像では、ミア・ファローとダニー・グローヴァーだが、この「ドライビングMissデイジー」のシーンは、ジャック・ブラックとモス・デフで演じていたはず。この2人でのシーンがあったかどうかすら忘れた。

僕の過去へ逆回転して、ぜひ、前売券代金を返してほしいものだ。この映画の記憶と引き換えにしてもいいから。




〔2008年10月13日(月) シャンテ シネ1〕


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