んん…あんまりピンとこなかったなあ。
ギレルモ・デル・トロが製作にまわった映画で、彼の好みっぽいホラーミステリー調に、母の愛などもある作品。
孤児院で暮らしたことがある女性が、大人になり、夫と幼い男の子とともに、廃院となった館を訪れる。彼女は、子どもたちを引き取って育てる仕事を、ここで始めようというのだ。
しかし、子どもが館の中で友達ができたかのような話をし、彼女自身も自分たち以外の誰かがいる気配を感じる。
家の中に誰かいるぞ系(?)のホラー(というほどではないが)。
館を訪ねてくるオバさんがいるのだが、彼女に関係するシーンを中心に3回ほど、ビクッと、飛びあがって、びっくりした。隣の座席の人は、もっとたくさんびっくりして、イスが揺れる揺れる! 心臓に悪いから、やめてほしいよ。
だるまさんが転んだ、のスペイン版があるのが分かって面白かった。もしかして、世界中に同じような遊びがあるのかも。
オープニングが、壁紙を手ではがすような動きのデザインで、先日見た「バニー・レイクは行方不明」(1965年)を思い出させた。子どもがどこかに消えてしまう、という内容が似ているのは単なる偶然か、意識しているのか。
チャールズ・チャップリンの娘、ジェラルディン・チャップリンが霊媒師の役でゲスト出演している。彼女は、夫がスペイン生まれのカルロス・サウラ監督で、彼の映画にも出ていたりするし、スペイン語は堪能。なんだか、霊媒師という役は似合っていたね。
家、霊媒師、というところは、私は「ヘルハウス」(1973年)を思った。他にも「家、霊媒師」の映画はあると思うけど、「ヘルハウス」は私が好きなもので。
主演のベレン・ルエダは、「海を飛ぶ夢」(2004年)で印象深い女優さん。
ひとり芝居も多い本作でも、素晴らしい演技を見せている。
…つまり、俳優の演技うんぬんではなくて、お話全体で、あまり心に響いてこなかったんですね。言いたいことは分かる気がするけど。
ラストに彼女が取る行動も好きではない。過去に、とらわれすぎではないかなあと。