永遠のこどもたち

EL ORFANATO
監督 J・A・バヨナ
出演 ベレン・ルエダ  フェルナンド・カヨ  ロジェール・プリンセプ  ジェラルディン・チャップリン  マベル・リベラ  モンセラート・カルーヤ
脚本 セルヒオ・G・サンチェス
撮影 オスカル・ファウラ
編集 エレナ・ルイス
音楽 フェルナンド・ベラスケス
製作総指揮 ギレルモ・デル・トロ
2007年 スペイン・メキシコ作品 108分
ゴヤ賞…新人監督・脚本・録音・特撮・美術・装置・メイク&ヘア賞
バルセロナ映画賞…作品・主演女優・新人監督・撮影・美術・編集・録音賞
Butaca賞…J・A・バヨナ
セントラルオハイオ映画批評家協会賞…撮影賞
シネマ・ライターズ・サークル賞…新人監督・作曲・編集賞
ファンタスポルト…女優・監督賞
フォトグラマ・デ・プラタ賞…女優賞
サンジョルディ賞…観客賞
スペイン俳優組合…助演女優賞(ジェラルディン・チャップリン) など
評価☆☆★


んん…あんまりピンとこなかったなあ。
ギレルモ・デル・トロが製作にまわった映画で、彼の好みっぽいホラーミステリー調に、母の愛などもある作品。

孤児院で暮らしたことがある女性が、大人になり、夫と幼い男の子とともに、廃院となった館を訪れる。彼女は、子どもたちを引き取って育てる仕事を、ここで始めようというのだ。
しかし、子どもが館の中で友達ができたかのような話をし、彼女自身も自分たち以外の誰かがいる気配を感じる。

家の中に誰かいるぞ系(?)のホラー(というほどではないが)。
館を訪ねてくるオバさんがいるのだが、彼女に関係するシーンを中心に3回ほど、ビクッと、飛びあがって、びっくりした。隣の座席の人は、もっとたくさんびっくりして、イスが揺れる揺れる! 心臓に悪いから、やめてほしいよ。

だるまさんが転んだ、のスペイン版があるのが分かって面白かった。もしかして、世界中に同じような遊びがあるのかも。

オープニングが、壁紙を手ではがすような動きのデザインで、先日見た「バニー・レイクは行方不明」(1965年)を思い出させた。子どもがどこかに消えてしまう、という内容が似ているのは単なる偶然か、意識しているのか。

チャールズ・チャップリンの娘、ジェラルディン・チャップリンが霊媒師の役でゲスト出演している。彼女は、夫がスペイン生まれのカルロス・サウラ監督で、彼の映画にも出ていたりするし、スペイン語は堪能。なんだか、霊媒師という役は似合っていたね。
家、霊媒師、というところは、私は「ヘルハウス」(1973年)を思った。他にも「家、霊媒師」の映画はあると思うけど、「ヘルハウス」は私が好きなもので。

主演のベレン・ルエダは、「海を飛ぶ夢」(2004年)で印象深い女優さん。
ひとり芝居も多い本作でも、素晴らしい演技を見せている。

…つまり、俳優の演技うんぬんではなくて、お話全体で、あまり心に響いてこなかったんですね。言いたいことは分かる気がするけど。
ラストに彼女が取る行動も好きではない。過去に、とらわれすぎではないかなあと。




〔2008年12月23日(火) シネカノン有楽町一丁目〕


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