ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー

HELLBOYU THE GOLDEN ARMY
脚本・監督 ギレルモ・デル・トロ
出演 ロン・パールマン  セルマ・ブレア  ダグ・ジョーンズ  ルーク・ゴス  アンナ・ウォルトン  ジョン・ハート  ジョン・アレクサンダー  ジェームズ・ドッド  ブライアン・スティール  ロイ・ドートリス
原案・原作 マイク・ミニョーラ
撮影 ギレルモ・ナヴァロ
編集 ベルナ・ビラプラーナ
音楽 ダニー・エルフマン
2008年 アメリカ作品 119分
評価☆☆☆★


やっとこさ今年の映画1本目の感想である。
本年も最初の1本は映画館で、という変なこだわりを実施。
だいたい、この続編を観るがために、前作を予習の意味も兼ねて見たのだった。
「パンズ・ラビリンス」を観て以来、ギレルモ・デル・トロ監督の映画は見過ごせない気分になっている。

1作目を見ているほうが、ヘルボーイと仲間たちなどの関係がよく分かるのは当然だが、見ていなくても、ひどく困ることはないか。少なくともヘルボーイがどうやって地球に来たかは、さらっと説明されている。

子どものための物語本としての登場人物が、そのまま現実のものとなって今回の敵になるのは、夢のある、うまいやり方だ。
前作で活躍していた、ヘルボーイの新人世話役の男が今作には出ていないのは少しさみしいが、今回はヘルボーイ(ロン・パールマン)に、リズ(セルマ・ブレア)、エイブ(ダグ・ジョーンズ)に加えて新加入のヨハン・クラウスまでいるので、定員オーバーだったのかもしれない。
リズやエイブの出番も、はるかに増えているし。
ずいぶん安定した手慣れた作りにも思えるが、ユーモアや恋愛、クリーチャー造型に至るまで、これは(も?)デル・トロなんだなあと楽しませてくれる。
とくにヨハン・クラウスは、エクトプラズムが本体というユニークな存在で、じつにデル・トロ「らしい」おもしろさ。

また本作では、ヘルボーイだけでなく、エイブにも恋のロマンスがある。
バリー・マニロウの名曲“Can't Smile Without You”「涙色の微笑」をヘルボーイと2人で歌うシーンの、なんとも切ないというか人間的なこと。

そして「愛」こそ、すべてのものより価値がある、という展開。
世界が破滅しようとも、私は、俺は、愛をとる!

双子の兄妹が運命共同体なのも、ありがちだけどハズせないところ。
鋼鉄の軍団もカッコよい。
怪物の種類が乏しかった前作と違って、ヘンなクリーチャーがわんさか出てくる。市場のシーンは、「スター・ウォーズ」シリーズ(の、どれか)で、いろんな人種がたむろするパブの場面を思い出す。「スター・ウォーズ」を意識していないことは絶対にない。
クリーチャー増加は、技術が進歩したのか、資金が増えたせいなのか。

地球に住むものが、いかに他の生物たちと共存するべきなのか。そんなテーマも垣間見えてきそう。
私にとっては、続編もチェックしなきゃ、というシリーズになったね、うん。




〔2009年1月11日(日) TOHOシネマズ 六本木ヒルズ〕


映画感想/書くのは私だ へ        トップページへ