いい映画だった。
観る前は、あまり興味を引かれない「優等生」的映画のイメージだったのだが、招待券をゲットしたので観に行った。
場所は「SKIPシティ」。埼玉県川口市にある施設だ。
そんな建物があることさえ、いままで知らなかった。友人と一緒に、西川口駅からバスに乗って。ちょっと旅気分…。
ネットで見た地図に「レストラン」があると書いてあったのに、行ってみると、飲み屋系のチェーン店と、ラーメン店。話が違うよ?
チェーン店のほうには、定食類があったので、そこで妥協。不当表示じゃない?
さて映画だが。監督が007の新作を手がけているマーク・フォースター。
この「君のためなら千回でも」は、007とは、まったく違うヒューマン・ドラマだ。
有名な俳優は、ほとんど出ていないが、みんな素晴らしい演技。とくに子役2人がいい。
オープニング・クレジットで、タイトルが“The Kite Runner”と出たので、あ、凧(たこ)が関係する話なのかな、と思った。
はたして、そうだった。凧上げ、凧合戦があるのだ。
無数の凧が空中に上がっている風景は、見ものだった。あんなのは、はじめて見たよね。日本のではなくて、西洋凧だけど。
主人の子どもアミール(ゼキリア・エブラヒミ)と、使用人の子どもハッサン(アフマド・ハーン・マクムードザダ)の2人が協力して凧を上げる。
ハッサンは少数民族のハザラ人であるせいで、アフガニスタンの人口の半数近くをしめるパシュトゥーン人などから差別されている、という状況があり、そうしたところに事件が起こる。
そして、ソ連のアフガニスタン侵攻が重なり…。
約20年後、アミールは、ある行動を起こす。それは、つぐないの意味も持つことになる。
自分にできることを、必死にやり通そうとする姿。
泣けます。
映画上映前に解説があって、1979年にアフガン侵攻があった、という話をしてくれた。
映画を観ていて、1978年と字幕で出たので、ああ、翌年にはソ連が攻めてくるんだな、と分かった。
そいう意味では、とても的を射た解説だった。
アミールの父親が気概のある人で、また、息子の嫁取りにも自分の病気をおして尽力するのを見て、素晴らしいなあと思っていたら、なんと、ある秘め事が後に発覚!
いや、人って複雑。ま、そんなところも、いとしいと思えればいいのかも。
子ども2人が映画館で「荒野の七人」を観ていたのは印象に残る。ブロンソンがアフガニスタンの言葉でしゃべってた!(吹替えだから。)