バニラ・スカイ

VANILLA SKY
脚本・監督 キャメロン・クロウ
出演 トム・クルーズ  ペネロペ・クルス  キャメロン・ディアス  カート・ラッセル  ジェイソン・リー
音楽 ナンシー・ウィルソン
2001年 アメリカ作品 137分
全米放送映画批評家協会賞…歌曲賞(Vanilla Sky)受賞
シカゴ批評家協会賞…助演女優賞(キャメロン・ディアス)受賞
評価☆☆☆

東京国際映画祭でグランプリをとった、スペインのアレハンドロ・アメナバール監督作品「オープン・ユア・アイズ」のリメイク。ペネロペ・クルスは、同じ役で再登場である。

「バニラ・スカイ」を観たあとに「オープン・ユア・アイズ」も観てみたが、ほとんど同じだった。
昔の映画をリメイクするならまあいいが、たった4年前の映画と同じものを作る意味があるのだろうか。
オリジナルがスペイン映画で、みんなは知らないだろうから、トム・クルーズが、俺が作って紹介してあげよう、というのだったら、余計な親切かもね。「オープン・ユア・アイズ」は観られるもん。少なくとも日本では。
気にいった話があれば買いとって、たとえリメイクであろうがやってしまうというのは、金と映画界での力を兼ね備えた実力者俳優ならでは。ペネロペと共演したかったからこの映画を作った、とささやかれても、あながちウソとは言いきれなかったりして。

話は同じだが、オリジナルに比べれば、音楽の使い方がとてもポップで、軽快で心地いい
監督がロック・ジャーナリストから出発したキャメロン・クロウ、音楽がクロウの奥さんでロックバンド歌手のナンシー・ウィルソンだというのが効いているに違いない。

あいまいな記憶のなかで右往左往。幻想なのか真実なのか、自分はどうなっているのか。
いわゆるアイデンティティ(自分って何?)の問題に触れる。
夢ではなく、現実を見つめて生きよう、というメッセージ性は、リメイクの本作のほうが、はっきり出ていると思う。

オリジナルを、有名俳優でポップに作りなおしてみたよ、という感じだが、オリジナルと比べて、これといった違いがないなら、先に世に出た「オープン・ユア・アイズ」のほうがすごいというしかない。

トムくんの映画に、「アイズ・ワイド・シャット」というものがあった。あちらが“(幻想を)見て見ぬふりをせよ”(と言っておきます)ならば、「バニラ・スカイ」(オープン・ユア・アイズ)は“(現実に)目をひらいて見つめよ”ということで、結果的には姉妹作品みたいな気もしないでもない。
これでペネロペがトムの奥さんになったりしたら、どちらも夫婦共演だよ。

ちなみに、ペネロペの形のいい乳ヌードが見られるのは、「オープン・ユア・アイズ」のほうです。
〔2002年1月27日(日) ワーナー・マイカル・シネマズ 大井〕



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