有名な日本の漫画がハリウッドで映画化。そんな興味だけで観に行ったのであった。
…………まあ…いいんじゃない? 別物だと思えば。そんなに面白くないけど。
私は原作に思い入れはないので、その意味で、がっかりはしない。けれども、それを差し引いても、たいして、おもしろさがない映画になってしまっていた。
タイトルにあるEVOLUTIONとは「進化」。原作をアレンジして違うようにもなってるよ、という原作ファンに対する逃げ道なのではないか、と疑いたくもなる。
予告編の段階で、原作者の鳥山明さんの、違うものとして見れば、この映画はいいのかも? などという内容のコメントをテロップで流していたので、もしや、ファンの不満や批判を緩和するための手か? と思っていたが、その疑惑は何となく当たってしまったようだ。
ピッコロ卿が復活し、人類への復讐の願いをかなえるために(違ったかな? まあ、どうでもいいけど)、ドラゴンボールを集めようとする。それを阻止せんとするゴクウ、ブルマ、マスター・ロウシ(老師)、ヤムチャ。
ピッコロ卿の手下のマイがドラゴンボールをゲットするために暗躍、ゴクウのクラスメートのチチが、ゴクウといい感じに。
最後はピッコロチームとゴクウチームの対決へ。
そういうお話でした。
マイを演じているのは田村英里子さん。オーディションで選ばれたのだそう。胸のあたりを一部切り取ったような衣装で楽しませてくれる。ちょっと忍者なイメージがある役なので、日本人女優にしたのだろうか?
田村さんの胸と別の意味で、チチ役(笑)のジェイミー・チャンさんも、出てくること自体知らなかったので、新鮮で可愛くて、わりと良かった。
それに比べるとエミー・ロッサムさんのブルマは、役柄としては、まともすぎて、かえって目立ってなかったような気が…するのは私だけかな?
「オペラ座の怪人」での持ち歌でも歌ってくれたらよかったのに。(そんなこと、するわけない。)
チョウ・ユンファが扮した老師、亀仙人は、お笑いキャラのおじさんだった。お笑いでもいいけど、少しは深みもあってほしかったかも。
ゴクウが、かめはめ波ができるようになる修行も、ちゃっちい。恋愛パワーで一気にドン、だからねー。
修行いらないじゃん。
脚本が、学芸会か子ども会か。それより下か。
あとは何を書けばいいんだっけ…。
関めぐみさん(東京ガスのCMで、女性型ロボットを演じている)が出ていたのを、観ているときは気づかなかった。
エンドロールの浜崎あゆみさんの歌そのものは悪くないと思うが、英語の映画に、いきなり日本語で歌、というのは、どうなのだろうか。英語で歌ってくれたら、よかったかも。
日本語タイトルが、カタカナにもせず原題そのまんまなのは、配給側の映画の出来への脱力感なのか、やる気のなさなのか、それとも不親切なのか。
現在のところ、映画サイト「IMDb」では、4.3点(10点満点)、「映画生活」では、35点(100点満点)の評価。