ザ・バンク 堕ちた巨像

THE INTERNATIONAL
監督 トム・ティクヴァ
出演 クライヴ・オーウェン  ナオミ・ワッツ  アーミン・ミューラー=スタール  ウルリッヒ・トムセン  ブライアン・F・オバーン
脚本 エリック・ウォーレン・シンガー
撮影 フランク・グリーベ
編集 マティルド・ボンフォワ
音楽 トム・ティクヴァ  ジョニー・クリメック  ラインホルト・ハイル
2008年作品 111分
評価☆☆☆


期待してないぶん(?)、ところどころ面白く観たけど、超派手な銃撃戦のあと、かなり長く映画が続いたのは、冗長にも感じられて、あまりよくなかったのでは? バランス面で。

硬派な映画。インターポール(国際刑事警察機構。国際犯罪の情報収集とか、犯罪人の所在発見とか、いろんな協力をする機関らしい)のクライヴ・オーウェンと検事局のナオミ・ワッツ嬢が、国際的な巨大銀行の悪行の証拠をつかもうと東奔西走する。

銀行など、たいてい悪徳だと私は思っているが、本作のターゲットは世界規模のワル銀行だ。
オーウェンたちが、証人になりそうな人物に接触すれば、すぐに銀行の雇った殺し屋が暗躍、その人物は証人になりそこねてオダブツ。
銀行に不利な部分は、尻尾をつかむ前に、もみ消される。
巨大なパワーの前には、なすすべはないのか。

路上の暗殺シーン、オーウェンがハッとして首を押さえるシーン(観ている人はわかりますね)、演説中の人間を狙撃する一連のシーン、とんでもない場所での銃撃戦(この建物を銃弾の穴だらけにして、しかも壊していいんですか〜?という場所。もっとも、映画では作り物の建物だけど)、トンネルから出てこないクルマ(観ている人はわかりますね)、など、見どころもあるのだけど、なんとなくお話が難しげだし、地味め
はじめに書いたように、大クライマックスの銃撃戦のあとが少し長かった。ストーリーとしては必要なのだろうけど。

その銃撃戦にしても、私は、たいして好きじゃない。撃ち合いは見慣れたし、そもそも銃撃というのは人を殺すためにやっているものだから、根本で好きではないのだと思う。
西部劇なら、なんとなく現実感がないので、いいのだが。

監督のトム・ティクヴァといえば、「パフューム ある人殺しの物語」という怪作があったので、今度も何かやらかしてないかなと期待してしまうのだが、本作は素材が普通の犯罪サスペンスなので、妙な方向には行かず正統派な作りで終始した。それはそれでよしとしなければならないだろう。そういう映画なのだから。ちょいと残念だけど。

オーウェンのアウトロー的男っぽさはマル。ちょっとルー大柴みたく(?)、ごつごつして、フツーのハンサム系でないのがいい。
ナオミちゃんはオーウェンのサポート的な役まわりで、多少脇役っぽいけど、検事局の人間という、ある程度の力をもつ相棒としてオーウェンを支えている感じがよく出ていた。

また、「イースタン・プロミス」でも印象に残ったマフィアの親方、アーミン・ミューラー=スタールが、ここでも味のある存在で光っていた
そういえば「イースタン〜」でもナオミちゃんと共演じゃないか! いま気づいた。だけど、本作では一緒にいる場面はなかったような…?

ラスト付近で、ちょっと疑問があった。
石段で座って待ってたおじさん(ネタばれなので、詳しくは書きません)を殺したのは誰か。
ラストでオーウェンの頭に銃を突きつけたのは誰か。顔を見て、この人って誰だっけ?と考えてしまったよ。どこで出てきてたっけ?と。肝心なとこが、あやふやじゃ困るさ、じぶん。
セリフがあったので、だいたい、どんな奴か見当はついてるけど。。。
よろしければネタばれとして掲示板などで教えてくださいまっし!




〔2009年4月11日(土) TOHOシネマズ六本木ヒルズ〕


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