ジェヴォーダンの獣

LA PACTE DES LOUPS
監督 クリストフ・ガンズ
出演 サミュエル・ル・ビアン  マーク・ダカスコス  ヴァンサン・カッセル  エミリエ・デュケンヌ  モニカ・ベルッチ  ジェレミー・レニエ
編集 デヴィッド・ウー
2001年 フランス作品 138分
評価☆☆☆★

原題は「狼の協定」。
18世紀フランスのジェヴォーダン地方。女・子供が次々と謎の野獣に襲われ殺されていた。その数は、すでに100人を超え、噂はフランスじゅうに広まりつつあった。狼の仕業か、神の天罰か。
国王は自然科学者のフロンサック(サミュエル・ル・ビアン)を調査に送る。はたして彼は獣を退治することができるのか?

まずはフロンサックに付き従うモホーク族のマニ(マーク・ダカスコス)が、数人を相手に棒1本で戦う見せ場がある。
監督は、日本のマンガを原作にした「クライング・フリーマン」を作った人。ツイ・ハークが好きで、編集にジョン・ウーとコンビを組んできたデヴィッド・ウーを起用していることからしても、ここは完全にオリエンタル色の強い香港アクション映画のノリだ。

フロンサックは美しい娘マリアンヌ(エミリエ・デュケンヌ)に惹かれる。エミリエ・デュケンヌは、「ロゼッタ」で1999年のカンヌ国際映画祭女優賞を受賞した若き注目女優。顔がぽっちゃりしていて可愛い。
モニカ・ベルッチが出ていると聞いていたから、フロンサックの恋の相手なのかと思ったら違ったわけだ。
じゃあ、モニカは何を演じるのかと観ていたら、謎めいた娼婦という、なんともうれしい?役どころ。あの素晴らしい胸の双丘が、2つの雪山に変じていくというイマジネーションには大絶賛を送ろう!
そして、彼女の出番は思ったほど多くないが、大事な役割を担っているのだった。

話の中盤まで、獣の声が聞こえるだけで、姿は見えないが、だんだんとその全貌をあらわしてくるところは見ものだ。この獣は、マペット(人形)の生みの親、ジム・ヘンソン(セサミストリート、「ダーク・クリスタル」、「ラビリンス/魔王の迷宮」など。1990年没)のスタジオが製作している。
はたして狼だったのか? こいつが実際出てきてみると、なーんだというほど期待はずれでもなく、あまりに突拍子がないこともなく、結構いいセン行ってると思うが、どうだろう。

多少上映時間が長い気はしたが、アクションはちりばめられているし、謎の獣との対決もありで楽しめる。ラブロマンスも好みの展開で終わったし。

ただ、エンドクレジットで、音楽が終わっても、字幕が少しの間続いていたのには困った。スクリーンには文字が流れているのに、しーんとしてしまった状態は、ちょっと居心地が悪い。
作っているほうは気にしていなかったのだろうか。それとも、わざと?(というのも勘繰りすぎだよなあ)
〔2002年2月2日(土) ワーナー・マイカル・シネマズ 板橋〕



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