スラムドッグ$ミリオネア

SLUMDOG MILLIONAIRE
監督 ダニー・ボイル
出演 デヴ・パテル  フリーダ・ピント  マドゥル・ミッタル  イルファン・カーン  アニル・カプール  アーユッシュ・マヘーシュ・ケーデカール  ルビーナ・アリ  アズルディン・モハメド・イスマイル  タリビ・ガネシュ・ロンカール
原作 ヴィカス・スワラップ
脚本 サイモン・ボーフォイ
撮影 アンソニー・ドッド・マントル
編集 クリス・ディケンズ
音楽 A・R・ラーマン
2008年 イギリス・アメリカ作品 120分
アカデミー賞…作品・監督・脚色・撮影・編集・音楽・主題歌・録音賞
ゴールデングローブ賞…作品・監督・脚本・作曲賞
ナショナル・ボード・オブ・レビュー…作品・脚色・新人俳優(デヴ・パテル)賞
英国アカデミー賞…作品・監督・脚本・撮影・編集・音楽・録音賞
ボストン映画批評家協会賞…作品・編集賞
ブロードキャスト映画批評家協会賞…作品・監督・脚本・作曲・若手俳優(デヴ・パテル)賞
セントラルオハイオ映画批評家協会賞…監督・脚色賞
シカゴ映画批評家協会賞…監督・脚色・若手俳優(デヴ・パテル)賞
ダラス・フォートワース映画批評家協会賞…作品・監督賞
フロリダ映画批評家協会賞…作品・監督・脚本賞
カンサスシティ映画批評家協会賞…作品・脚色賞
ロサンゼルス映画批評家協会賞…監督賞
ニューヨーク映画批評家協会賞…撮影賞
サンディエゴ映画批評家協会賞…作品・監督・脚色・撮影・編集・作曲賞
サウスイースタン映画批評家協会賞…監督・脚色賞
ワシントンDC映画批評家協会賞…作品・監督・脚色・新人俳優(デヴ・パテル)賞
ロンドン批評家協会賞…英国作品・監督・脚本賞
アメリカ撮影者協会…撮影賞
オースティン映画祭…観客賞 ほか
評価☆☆☆★


彼が彼女の顔に唇を触れた瞬間、この映画に対する私の評価は上がった。
そうだ! きっと私も、必ず、そうする! まず、はじめは、彼女の唇にではなく、彼がしたように。
それを見せてくれた本作。それまで「普通かな」(☆☆☆)と感じていた評価は、「いいじゃん」(☆☆☆★)になった。

次々にクイズに正解していく若者。それは運だったのか、彼が天才だったのか、不正があったのか、運命だったのか…。

全編に流れるインド映画風(?)な音楽。私は何度も「ムーラン・ルージュ」を思い起こしていた。あの(私にとっての)傑作には、音楽においてはインド映画っぽさが、いっぱいあったんだなあと改めて知らされた。(劇中劇そのものも、マハラジャが出てきてインド風味だったしね。)
「ムーラン・ルージュ」が好きだから、もちろん、この「スラムドッグ$ミリオネア」の音楽も好きだ。

映画全体は、よく言われているように、疾走感、躍動感があって好感がもてる。
序盤、ヒンドゥー語で話されているところは英語で字幕が出る。その出方が面白い。普通なら、ほとんどが画面の下の中央あたりに出るはずなのが、この映画は、上下左右、いろんな場所に字幕が出るのだ。それが躍動感を盛り上げるのに一役買っている。

日本でも放送されているテレビのクイズ番組が、インドでも同様にあるというのは驚きだった。私は、最初はアメリカの番組に主人公が出ているのかと思っていた。インドあなどるべからず。世界中で人気の番組なのかな。
番組のジングル(コマーシャル前後やコーナー開始、特定のシーンの時などに繰り返して使われる短い音楽や効果音)が日本のものと同じなので、なんだか、わくわくした!(めったに日本の当番組は見てないけれど、聞き覚えはあるから。)

クイズ番組にからませて、主人公の生い立ちを語っていく手法は、うまいと思う。多少、ストーリー的に都合のいい面はあるが。
幼い兄弟、子どもたちもいいし、そして、なんたって、純愛のお話。これは、いい。好みです!
子どもの頃から、ずっと想い続けるなんて…いいなあ。

ラストの、いかにもインド映画、なのか知らないけど、楽しい群舞(言い方、古いですか?)も大好き。ミュージカル好きなら、嫌いな人はいないよね? 大団円、ハッピー気分になれる。子役カップルも登場するのが、なんとも、うれしい演出。

主役たちは年齢に応じて、それぞれ同じ役を3人で演じ分けていたが、エンドクレジットで、その3人が一緒に紹介されるところも、よかった! みんなで作り上げたんだよ! って。

夢をかなえる、ハッピーになる、インド風なのが目新しかった、映画にキレと若々しいパワーがある、アカデミー賞で多数受賞したのは、そんな理由がありそうだ。




〔2009年4月19日(日) ワーナー・マイカル・シネマズ 板橋〕


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