パイレーツ・ロック

THE BOAT THAT ROCKED
脚本・監督 リチャード・カーティス
出演 トム・スターリッジ  フィリップ・シーモア・ホフマン  ビル・ナイ  リス・エヴァンス  ニック・フロスト  ケネス・ブラナー  ジャック・ダヴェンポート  キャサリン・パーキンソン  タルラ・ライリー  ジャニュアリー・ジョーンズ  ジェマ・アータートン  エマ・トンプソン  ウィル・アダムズデイル  クリス・オダウド  トム・ブルック  トム・ウィズダム
撮影 ダニー・コーエン
編集 エマ・E・ヒコックス
2009年 イギリス・ドイツ作品 135分
評価☆☆☆☆


個性的なヤツらのロックンロールな生き方、おもしろかったぜ!
 
ちょっとエロだけど人間なら当たり前?(それでPG-12指定〔12歳未満は保護者同伴が適当〕ってわけだ。)
笑えるところも多数。
 
1966年、イギリス。国営のBBC放送は、ポピュラー音楽を1日45分しか放送していなかった。
そこで、イギリスの法律の範囲外である北海に浮かぶ船から1日じゅうロックを流すという、海賊ラジオ局「ラジオ・ロック」が誕生し、ファンの人気を集めていた。
ある日、高校を退学になったカール(トム・スターリッジ)が、彼の母親の旧友であり、「ラジオ・ロック」のオーナーでもあるクエンティン(ビル・ナイ)に預けられ、船に乗船してきた。
一方、政府のほうでは、ドルマンディ大臣(ケネス・ブラナー)が、“不道徳”な「ラジオ・ロック」の放送をたたきつぶそうと画策していた…。
 
出演は男ばかりかな、女優さんが出るとしても誰が出るのか分からない。(予備知識なし、なので。)
というのもあって、気乗りはしなかったのだが、これが観てみたら、おもしろい!
船に乗っているDJが何人もいて(考えてみれば、24時間放送だから大勢いていいよね)、みんながみんな、個性的。
 
フィリップ・シーモア・ホフマンなんて、まじめなインテリっぽい役ばかりやってた印象だったので、DJを演じるのに浮いてるんじゃないかと思ったら、まったくそんなことはない。ばっちり似合ってるじゃないの! さすが!
 
オーナーのビル・ナイは、かっこいいし、カリスマDJギャヴィン役のリス・エヴァンスも、それっぽいし。
デブっちょDJデイヴ役のニック・フロストは、スケベだが憎めないキャラクター。
静かなタイプのDJもいれば、ニュースや天気予報担当もいる。
 
カールの初体験騒動があったり、伯爵(ホフマン)とギャヴィンの対立や対決があったり、それぞれがDJする様子があったり、さりげない友情があったり。
個性が際立つ面々、音楽への愛情、おもしろいストーリー。(プラス、ちょっとエッチ。)
愛情を込めて、楽しんで、熱心に聴く、さまざまなファンの姿も、きちんと、とらえていて楽しかったり、ほほえましかったり、感動したり。
 
女性陣も、ちゃんといたよ。はじめから船に乗っている唯一の女性は、レズビアンのフェリシティ(キャサリン・パーキンソン)で、食事担当。
素敵なメンバーが、どんどん船を訪れる。
若いカールの相手になるマリアン(タルラ・ライリー。かわいい)、船上で結婚式を挙げるエレノア(ジャニュアリー・ジョーンズ。美人で好み)、デイヴのお相手デジリー(ジェマ・アータートン。最新「007」のボンドガールのひとりストロベリー・フィールズ役でした)、そしてカールの母親シャーロット(エマ・トンプソン。大物!)などなど。ちなみに、観ているときは、エマ・トンプソンだと分かりませんでした。ほとんどサングラスしていたせいもある…かな?
加えて、モテモテのギャヴィンの周りに大勢のヌード女性が! というシーンもあったぞ!(うらやましー)
 
カールの成長物語でもある、船の生活を描く合間に、政府の弾圧計画(ちっとも進まないけど)が挟み込まれる。
ケネス・ブラナー、憎まれ役だが、いろいろ笑えることをしてくれる。
この映画にちりばめられている、クスクスと、くすぐるような笑いって、イギリスっぽい気もする。(まったく根拠なし!)
 
政府、つまり「体制」側に反発するラジオ・ロックの面々は、「反体制」、つまり、ずばりロックンロールな生き方となる。
それを貫くのが、カッコイイし、熱いし、感動させるのだ。
ラストに向かっては、まったく想像しなかった展開で、泣かせる締めくくりを持ってくる。
うまい!
ちょっとベタ、出来過ぎかもしれないけどね。
でも、いいじゃない! いいよ!
さすがは「ラブ・アクチュアリー」の監督だなと思わせる、この充実した感触。
知っている曲がもっと多かったら、もっと楽しかっただろうなあ。(ビートルズは権利関係のせいなのか、流れなかったし。)
 
キャストのキャラクターが彩り豊かな楽しさ、何より、キャスト、たぶんスタッフも、みんなが楽しんで出来上がった雰囲気なのがいい。




〔2009年10月31日(土) TOHOシネマズ みゆき座〕


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