予告編などを見るたびに、わりと楽しみにしていたジェームズ・キャメロン監督作品。
でも、3Dの効果というのが、私にはあまり感じられず。自分だけの感覚なのか、ごく普通のものとして受け入れて観たために感動がなかったのか?
あ、それとも、ちょっと端っこの席で観たせい? いや、それで効果が薄れるくらいなら、たいした技術とはいえないだろう。
人物の立体感は多少わかるけど、物が飛び出したりとかいうシーンはあまりなかったような…?
メガネの上から立体メガネをかけたせいか? 違うよね。視力が悪いと効果が薄れる? わかりません。
それに、観ているうちは何でもないんだけど、観賞後に目の疲れからくる頭痛が起こり、それも結構長引くのが困る。まー、これも目が悪いからだろうけど。
パンドラという星にある資源を狙う人類。だが、目的の鉱物が埋まっている上にはナヴィという民族が住んでいる。
彼らを立ち退かせるためには、彼らを知り、友好を深めることも必要と考えるプロジェクトが進んでいた。ナヴィと人間をかけあわせた「アバター」を使って、ナヴィの生活に溶け込み交流する。それが元海兵隊員ジェイク(サム・ワーシントン)の使命だった。
だが、戦闘部隊を率いるフォリッチ大佐(スティーヴン・ラング)は、ジェイクからナヴィの情報を得て、攻撃に役立てようとしていた…。
ナヴィの造形というか、顔とか色とか、あんまり好きでもないんですねえ。
観ていれば、そう気にはならないんだけど、基本的に。
みんなで座ってお祈りする場面も、地球上のどこかの民族でもあるようなイメージで、目新しくもない。
それで病を治せるというのは、彼らが信じる超自然的な力、神、というところに行くわけで、まあ、そうなんだろうなと、ありふれているともいえる。
そういうことを言うと、どうも我ながら素直じゃない、ひねくれた自分、のような気分になってしまうが、事実だからしかたがない。
いちばん映像的に爽快だったのは、翼竜に乗って飛んでいるシーン。
アバターと人間がリンクするのは遠隔操縦の一種だけど、他でも、触手のようなものを木にリンクさせて話しかけたり、ここでも乗り手と乗せ手(翼竜)はリンクする。「つながり」、絆を結ぶこと、意思の疎通は大切だなあと感じた。
そういう絆を考えない大佐のような人間がいるから、戦いが起きる。いうこと聞かない奴は問答無用に攻め落とせ、という考え方。
この大佐が憎たらしくて、しかも、しぶとく生き残って戦う! 執念ですよ。まさに、キャメロン監督が以前に作り上げたキャラクターであるターミネーターのよう。(笑)
悪役は、こうあってもらいたい、という典型すぎて、拍手してもいいくらい。
かなり気に入らないのは、いい人間側のメンバーも、どんどこ、やられちゃうこと。
別に退場しなくてもよさそうなものなのに、強制退場? リアルに作れば、そうかもしれないけど、そうまでしなくても。
主人公は生きのびるかもしれないのに、脇を固める連中だけが馬鹿を見るのか。
いい人たちもお亡くなりになることによって、映画そのものの印象を強くしよう、なんて考えなら、願い下げ。
戦いの展開についても、かなり、ありふれている。助っ人のことや、逆襲のきっかけなど。
これといった戦闘プランもなく、ただただ迎え撃つというのも、おいおい、そんなんでいいんかい?と思ったし。(どうにも、やりようがないのか。)
などと、書いてみたら文句が多いが、決して、つまらなくはない。観ていて楽しめはする。
それが証拠に、評価は下記の通りだ。
それにしても、ミシェル・ロドリゲスは、こういう戦う女が似合うこと。本作のなかで、いちばん、これ以上なく、かっこいい役だった。彼女の心意気に惚れない観客は果たしているのか!?
軍規違反だろうに、何か罰を受けたのかどうか、疑問だったが。
一方的に攻め入る人間ども。ナヴィが大事にしている自然を破壊する人間ども。
なんて、ばかな奴らだろう、間違った上司の命令でも絶対服従。(たとえナヴィ侵攻に疑問を持っていてもだ。)
同じ人間たる観客に自虐的に思わせて、戦争が現実にも止まればいいのだけれど、戦争張本人のお偉方たち、関係者などには通じないか。
3Dに感動しなかったのは何だか悔しいので、27日に、違う立体上映方式のワーナー・マイカル・シネマズで、真ん中へんの席で、再見してみます。