「総統、たいへんです! 大事件です!」
「なんじゃね吉田君。そうぞうしい」
「そんな、のしイカがおぼれたような顔をして、前回とそっくり同じ受け答えをしないでくださいよ」
「誰が、のしイカじゃ〜! だいたい、吉田君が前回と同じことをいうから、わしも同じ答えになってしまったんじゃろうが」
「まあ、それは、ほっといて、ボーさんが今年の最初に観る映画に、この鷹の爪を選んだんです!」
「なにー! あのボーさんが! あのボーさんが! ボーさんが!」
「坊さんじゃないです、ボーさんですよ。坊主が屏風(びょうぶ)に上手にボーさんの絵を描いた、のボーさんです」
「…なにか違わんか? しかし、ということは、わが鷹の爪団の映画に、いちばんの期待をしているということじゃな」
「いえ、劇場で『0巻みたいなの。』を配布すると知って、それがなくなる前に来ようと思ったんだそうです」
「なんじゃと! それだけの理由かね?」
「そうです。あの大ヒットしたアニメ『ワンピース』が0巻を配ったまねをして、テキトーに仕立て上げた、ぺらぺらの、どうでもいいようなものです」
「んー、そこまでボロクソに言わんでもよかろうに」
「いえ、真実です。ちゃんと作者が『適当に描いた』って0巻みたいなのに書いてますから」
「まあ、もらえないより、もらえるほうがいいではないかね」
「ええ、ボーさんも自分に言い聞かせるように、無理に納得していました! あ、でも正確には、ボーさんの今年初の映画は、鷹の爪の映画の前に上映される短編の『コフィーちゃん』になりますよね」
「うーん、まあ、コフィーちゃんも鷹の爪団の仲間だと思おう」
「そんな、島根が笑い転げてアメリカに飛んでいくような妄想は、オババ大統領にしてください。もうひとつ、ニュースがあります」
「前半は意味がわからんが、何じゃね、いいニュースだといいが」
「じつは、ボーさんが今回『1万人の声優大募集』に参加してなかったことが判明しました」
「なにーっ! 今回もブログで募集を紹介までしてくれたというのに、その本人が参加していなかったというのかね。なぜじゃ、なぜなんじゃーっ!」
「たんに先延ばしにしてたら、締め切り日を過ぎてたらしいですよ」
「な、なんということじゃ〜」
「すまなかった、この礼は倍にしてお返ししてやるからな、とボーさんは言っていました」
「なんだか、こっちが、うらまれているような、あやまり方のような気がするが」
「気のせいです」
「ところで、前回といっしょで、また映画の内容のことを、まったく宣伝しておらんぞ。レオナルド博士とデラックスファイターも出てこんなあ」
「博士は帰省中で、デラックスファイターはサボってます。でも、2人とも映画では重要な役ですよ。映画の内容は、めんどくさいから、いいです。ただ、今度はアメリカにも舞台を移して、スクールメイトな大スコールです」
「よ、吉田君、それは、ワールドワイドな大スケールと言いたいのかね? 少し無理があると思うが」
「すごく無理があります。それと、ぼくたちのファンの方は、ぜひ、TOHOシネマズだけで、上映前に流れるマナームービーみたいなのもお楽しみください! 新作はサービスムービーというんですが、どんなのか忘れました」
「こらーっ。忘れるんじゃなーい。早めに劇場に入ってチェックするんじゃ! では、このへんで、皆さん、ご一緒に、た〜か〜の〜つ〜め〜」