Dr.パルナサスの鏡

THE IMAGINARIUM OF DOCTOR PARNASSUS
監督 テリー・ギリアム
出演 ヒース・レジャー  クリストファー・プラマー  リリー・コール  アンドリュー・ガーフィールド  ヴァーン・トロイヤー  トム・ウェイツ  ジョニー・デップ  ジュード・ロウ  コリン・ファレル
脚本 テリー・ギリアム  チャールズ・マッケオン
撮影 ニコラ・ペコリーニ
編集 ミック・オーズリー
音楽 マイケル・ダナ  ジェフ・ダナ
2009年 イギリス・カナダ作品 124分
評価☆☆☆


テリー・ギリアム監督だから、と期待しすぎたかな?
鏡の中の世界は、まあまあ、おもしろいけど、驚くようなほどでもなかったような。それは求めすぎか。
といっても、好き評価度は普通の、星3つ。

ヒース・レジャーの遺作。彼が映画の完成前に亡くなったために、撮影していない部分を、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルが出演して、映画完成にこぎつけた。
ただし、ジョニーやジュードは、ほんのちょっとしか出ていない印象。コリンがいちばん長かった。
鏡の中では、イマジネーションのせいなのか、顔が変わってしまうという設定にして、代役OK。いい手があったね。

ドクター・パルナサスを演じるのが、「サウンド・オブ・ミュージック」のフォン・トラップ大佐(子どもたちのお父さん)、クリストファー・プラマーだとは! いまは80歳を過ぎているせいもあるのか、ちっとも分からなかった! 時の流れ、しみじみ。
パルナサスと悪魔の取引をするミスター・ニックが、トム・ウェイツ。トム・ウェイツって歌手のイメージもあるけど俳優業もキャリアがある。
小さい人の役には、「オースティン・パワーズ」シリーズのミニ・ミー役で忘れられない存在、ヴァーン・トロイヤー
なんだか、くせもの揃い。いかにもギリアム監督が好きそう。

ヒロインは、リリー・コール。スーパーモデルで、映画は3作目?という新鋭。私には、いまひとつ顔立ちが…。デヴォン青木みたいな感じで…。

ストーリーを少し書いておくと、舞台は2007年のロンドンで、パルナサス博士は旅芸人一座の長。
人の心の中の欲望を、鏡の向こう側に作り出すのが、この一座の出し物だ。
パルナサスは、かつて悪魔のニックと契約を交わしていた。不死を得るのと引き換えに、娘が16歳になったらニックに差し出すと。
その期限が迫るなか、一座は、記憶をなくしたトニー(ヒース・レジャー)を偶然救うことに。
そして、ニックからは、新たな提案が示された。

鏡の国で、いきなりミュージカルになったところは、おもしろかった。暴力をふるいたいなら警官になろう! みたいな皮肉で笑わせるところがギリアムらしい。そこが一番よかったかなあ。
ヒース・レジャーも、遺作と思うと感慨深いけど、まだ演じていなかった部分で、どれだけ魅せてくれる予定だったのだろうか、という中途半端さは感じられてしまう。出番は予想以上にあったのだが。
俳優は個性的でいいし、監督の持ち味もあるんだけど、映画としては、それほど印象に残らないような。

「ぴあ」の調査隊にこたえて、俳優や監督、映像などは5段階評価で4をつけたんだけど、全体として75点になっちゃった。
毒が、なさすぎかも。女優がいまいちだし。(結局そういうことか!? 笑)




〔2010年1月23日(土) TOHOシネマズ 有楽座〕


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