テリー・ギリアム監督だから、と期待しすぎたかな?
鏡の中の世界は、まあまあ、おもしろいけど、
驚くようなほどでもなかったような。それは求めすぎか。
といっても、好き評価度は普通の、星3つ。
ヒース・レジャーの遺作。彼が映画の完成前に亡くなったために、撮影していない部分を、
ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルが出演して、映画完成にこぎつけた。
ただし、ジョニーやジュードは、ほんのちょっとしか出ていない印象。コリンがいちばん長かった。
鏡の中では、イマジネーションのせいなのか、顔が変わってしまうという設定にして、代役OK。いい手があったね。
ドクター・パルナサスを演じるのが、「サウンド・オブ・ミュージック」のフォン・トラップ大佐(子どもたちのお父さん)、
クリストファー・プラマーだとは! いまは80歳を過ぎているせいもあるのか、ちっとも分からなかった! 時の流れ、しみじみ。
パルナサスと悪魔の取引をするミスター・ニックが、
トム・ウェイツ。トム・ウェイツって歌手のイメージもあるけど俳優業もキャリアがある。
小さい人の役には、「オースティン・パワーズ」シリーズのミニ・ミー役で忘れられない存在、
ヴァーン・トロイヤー。
なんだか、くせもの揃い。いかにもギリアム監督が好きそう。
ヒロインは、
リリー・コール。スーパーモデルで、映画は3作目?という新鋭。私には、いまひとつ顔立ちが…。デヴォン青木みたいな感じで…。
ストーリーを少し書いておくと、舞台は2007年のロンドンで、パルナサス博士は旅芸人一座の長。
人の心の中の欲望を、鏡の向こう側に作り出すのが、この一座の出し物だ。
パルナサスは、かつて悪魔のニックと契約を交わしていた。不死を得るのと引き換えに、娘が16歳になったらニックに差し出すと。
その期限が迫るなか、一座は、記憶をなくしたトニー(ヒース・レジャー)を偶然救うことに。
そして、ニックからは、新たな提案が示された。
鏡の国で、いきなりミュージカルになったところは、おもしろかった。暴力をふるいたいなら警官になろう! みたいな
皮肉で笑わせるところがギリアムらしい。そこが一番よかったかなあ。
ヒース・レジャーも、遺作と思うと感慨深いけど、まだ演じていなかった部分で、どれだけ魅せてくれる予定だったのだろうか、という中途半端さは感じられてしまう。出番は予想以上にあったのだが。
俳優は個性的でいいし、監督の持ち味もあるんだけど、映画としては、それほど印象に残らないような。
「ぴあ」の調査隊にこたえて、俳優や監督、映像などは5段階評価で4をつけたんだけど、全体として75点になっちゃった。
毒が、なさすぎかも。女優がいまいちだし。(結局そういうことか!? 笑)