これほどロマンティックな、純粋で美しく哀しい恋愛映画も珍しい。
泣けた〜!
ホームページの常連Mさんもお好きだし、日本にもホームページがあったり、世界的なファンクラブがあったりして、根強い人気がある作品。
「午前十時の映画祭」で観賞。
知らない方のために&自分自身のための覚え書きとして記しておくと、主演のクリストファー・リーヴは「スーパーマン」(1978年)で注目を浴びた。1995年に落馬事故で首から下が不随に。車椅子ながら活動を再開したが、2004年に亡くなっている。
ジェーン・シーモアは「007/死ぬのは奴らだ」(1973年)のボンドガールで売り出した。この映画での彼女の美しいこと!
原作はリチャード・マシスン。「激突!」(1971年)や「ヘルハウス」(1973年)などの原作者・脚本家として有名。
恋愛とタイムトラベルを組み合わせた話で、過去に行くのに機械を使ったりせずに、行きたいという一念を主な原動力とするのが面白いし、もしかして夢がタイムトラベルなのかも、などとも思わせる。
タイムトラベルは論理的に考えると説明できないが、そこはツッコまないのがお約束。野暮は言わない。
大学生のリチャード・コリアー(クリストファー・リーヴ)は、自分が脚本を書いた演劇の公演後のパーティーで、見知らぬ老婦人(スーザン・フレンチ)から「私のもとに帰ってきて」と声をかけられ、懐中時計を渡される。
8年後、脚本家になっていたリチャードは、仕事に行き詰まってドライブに出た。以前から気になっていたグランドホテルに寄ることを思いつき、そのホテルで、美しい女優エリーズ・マッケナの写真(ジェーン・シーモア)を見る。リチャードは一瞬にして彼女に惹かれて…。
おばあちゃんの「帰ってきて」(Come back to me.)のセリフから、もう泣けた!
タイムトラベルがらみのラブストーリーということは知っていたので、そういうことか、と分かり、彼女の想いが私のほうに、あふれてきたのだ。
また、彼女をいちずに想う、リチャードの純愛、純粋さには、感動せずにはいられない。
そんな相手に、めぐり逢うことも幸せ。
きわめて実直に描いていく演出だが、記憶に残る名作になったのは、時空を超えたラブストーリーの美しさ、とくに締めくくりかたの感傷によるところが大きいと思う。
ジョン・バリーの音楽もいい。それがあって、より泣けるんだよねえ。
原作で使われるクラシック曲はマーラーだったのが、バリーがラフマニノフの「パガニーニの主題による変奏曲」に代えたという。この曲名は、記憶しておこう。