劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル

監督 堤幸彦
出演 仲間由紀恵  阿部寛  松平健  佐藤健  夏帆  片瀬那奈  戸田恵子  野際陽子  三浦理恵子  生瀬勝久  池田鉄洋  平泉成
脚本 蒔田光治
撮影 斑目重友
編集 大野昌寛
音楽 辻陽
2010年作品 119分
好き度☆☆☆


「まったく、私の貴重な時間を『映画待ち』という無意味なことで無駄にしてくれたな」
「なんですか上田さん、もう1週間もたつというのに、まだそんなことを」

「1週間と12時間だ」
「10分もしないうちに映画館は開いたじゃないですか。それに10分くらい上田さん、いーっぱい無駄にしてると思いますけど。そもそも今はじめて読んだ方々には、何の話かわからないですよ」

「じゃ、こないだの例のやつ、スイッターをのせようじゃないか」
「『ツ』イッターですね、ツイッター。では、この続きはツイッターで」
「続きじゃない、前日談とでもいうべきものだぞ」
「冗談ですよ。では、それっ! 世界一のマジシャン山田奈緒子のパワーで、1週間前のボーさんのツイート、おいでませ〜」

「ああっ。映画館が開いてない」
「早く来すぎたようだな、山田。私の大切な時間のロスだ」
「…ロ、ロサンゼルス? にゃむ〜」
8:55 AM May 9th movatwitterから


「上の4行が1週間前のスイートか。う〜む。あのときも不思議だったが、YOUの、このボケは、いったいなんだ!? ロサンゼルスに行ってきたのか?」
「…上田さんの今の反応のほうに、私は気が遠くなりましたよ。それに、ツイートです、スイートは甘いものです
「ところで、こんなことで行数を使ってどうする。映画の話をしないと」
「って上田! おまえが言い出したんだろ、ツイッターのことは。どんな映画か説明しますか、上田さんから?」

「YOUも観たとおり、天才物理学者の私がインチキ霊能力者の嘘を次々と暴いていくのだ。あの勇姿には感動するぞ」
「みんな私のおかげだろうが!」
「YOUが金もうけのために霊能力者のふりをするとはな。まあ予想は簡単についたが」
「ぐっ…。う、うるさい。えーと、今回は2人の健さんが活躍でした」
「話をそらしたな。しかし映画の話をしなければなるまい。そう、松平健さんと佐藤健くんだ」
「ダブル・ケンズですね」
「『Wけんじ』みたいに言うな!」

「Wけんじを知っているとは、上田さん、いくつですか」
「その言いようでは、YOUも知っているようだが? ま、話を戻すと、熟年女子のアイドル松平と、ヤング女子のアイドル佐藤ということで、広い観客層を取り込もうという、あざとい作戦だな」
「おまけに夏帆ちゃんで、ヤングボーイもカモーンですからね」
「怖いものなしだ」
「でも、仲間由紀恵さえいれば、あの、あべ、あべ…あべ、なんとかは必要ないですよね」
「おいっ! YOUはなんということを! あべ…アベベか」
「これまた、古っ!! いまどきアベベなんて誰が普通に名前を話題に出すんですか」

「いや、けっこう古いギャグがいっぱいあっただろ。紀伊半多、イコール、キイハンター。『キイハンター』は野際陽子さんが出演していたテレビドラマだ。いったい何年前だ。それに山田、いま思い出したが、電話で『バイナラ』って言ってなかったか」
「言いましたよ。でも、ボーさんは映画のなかで、あれが一番受けたって言ってました! どうだ私の勝ちだな」
「…まあ、このへんにしといてやろう。そうだ、松平健さんが馬に乗って…というのも面白かったぞ」
「時代劇を思い浮かべますからね」

「馬で去るときに頭を少し垂れた後ろ姿を見せてくれたら、まるで『シェーン』なんだがな」
「シェ…シェー!?」
「それは、まったく違う。ギャグ漫画にしてどうする」
「似たようなもんじゃないですか」
「それはYOUのキャラだろ。私は立派な学者だ。なぜベストを尽くさないのか、と問いつづけているのだ」
「自覚がないんですね。ところで無駄話をしているうちに、こんなに長くなっちゃったんですが」

「そうか、では私がまとめてやろう。村の霊媒師が亡くなり、次にその地位につく者を決めるために、各地からやってきた霊能力者がその力を競うのだ。私はインチキを見破るために呼ばれた。そこへ、ノコノコと山田奈緒子という女が金目当てに…」
「てえいっ! またそこに話をもっていくのか、おまえは!」
「いや、そこが一番大事なこ…」
「とにかく、いつもと同じ、ゆるーいノリでやってますので、よろしくお願いします。それから、ボーさんの伝言で『トリック』と『サスぺリア』の音楽は双子のように雰囲気が似ている、とのことです。これ、前から、しつこく言ってますね。そんなに似てるのかしら。錯覚じゃないのかなあ。…え、双子?」
「なぜベストをつくさないのか!」
「ちょっと、変な人形で、じゃましないでください。なにしろ見どころは、私の美貌です。さあ、美貌の天才マジシャンの活躍はいかに? おまけですが、へなちょこ物理学者との関係に進展はあるのでしょうか。霊能力者バトルの結果は? 気になる方は、ぜひ劇場へ!」
「勝手に、まとめたな。しかも、結局、観なきゃ何もわからんではないか!」
「うひゃひゃひゃひゃひゃ。感想も説明も不要な映画なんですよ」




〔2010年5月9日(日) ワーナー・マイカル・シネマズ 大井〕


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