ローラーガールズ・ダイアリー

WHIP IT
監督 ドリュー・バリモア
出演 エレン・ペイジ  アリア・ショウカット  マーシャ・ゲイ・ハーデン  ダニエル・スターン  ジュリエット・ルイス  クリスティン・ウィグ  ドリュー・バリモア  ゾーイ・ベル  イヴ  カルロ・アルバン  ジミー・ファロン  アリ・グレイノール
原作・脚本 ショーナ・クロス
撮影 ロバート・イェーマン
編集 ディラン・ティチェナー
音楽監修 ランダル・ポスター
2009年 アメリカ作品 112分
好き度☆☆☆★


楽しかった! 元気になる!
いいぞ、ドリュー・バリモア監督らしくて!

元気なガールズ・ムービーの快作!
女優であるドリュー・バリモアが監督したことが一番の話題の映画だろうけど、その点からいうと私に言わせれば大成功。
話の進め方や、映像の見せ方、とくにローラーゲームの見せ方の工夫不足、スピード感不足など、粗いところがあるとは思うけど、女の子たちの元気さ、頑張り、ゲームでのファイト!などを見ていれば、多少の難など、もう、どうでもいいのだ。

これは、ドリューにぴったりの元気素材なストーリーではないだろうか。
監督本人も、やはり本職の女優としても出たかったのか、けっこう重要な役どころを楽しそうに演じている。
彼女の表情を見ればわかるでしょ。どんなに楽しんで、この映画を作っていたか。

主演には、色白で小っちゃなエレン・ペイジ。
格闘技ともいえるローラーゲームで、体力的に大丈夫なのかとも思うが、スケーティングのスピードが速いのが取り柄、という設定にしたから、新人ながらメンバー入りしても、おかしくはない。

ローラーゲームは1970年代にテレビ放送があって、よく見ていたから、懐かしい。
このゲームがどういうルールなのか知らない観客は多いだろうから、映画のなかで説明しないと、まずいだろうなあと思っていたら、ちゃんと説明してくれた。でも、簡単な説明すぎたような…。
もうちょっと、ていねいに、わかるようにしたほうが。

娘のブリス(エレン・ペイジ)に、ミスコンテストを受けさせつづける母親(マーシャ・ゲイ・ハーデン)。
ブリスは気乗りしないまま、母のいいなりになっている。
あるときローラーゲームに興味をもったブリスは、試合観戦に。
新人募集をするというので、応募する。
こういうのは、とんとん拍子に進むときは進むもの。

合格した彼女は、家族に内緒のままゲームに出る。
ゲームでの彼女の名前は、ベイブ・ルースレス。ベイブは赤ちゃん、ルースレスは無慈悲な、といった意味。かわいいけど怖いんだぞー!というリングネームですね。この名前、有名な野球選手ベイブ・ルースにも引っ掛けているのが面白い。
彼女以外のネーミングも、楽しいものあり。

ケンカあり、恋愛あり、友情あり。
食事どきの乱闘は、食べ物がもったいないよと思う前に、楽しいから困ってしまう。

バイト先の友人パシュ(アリア・ショウカット)との関係も描かれる。2人の人生選択の違い。
両親との関係も含めて、パターンとしては、いろいろと王道な青春スポーツものかもしれないが、とにかく、楽しい。元気。さわやか。前向き。

人生、楽なことばかりではないにしても、ゲームのなかでは思い切り弾ける! いっしょうけんめいファイトする!
みんなを応援したくなる。

エンドクレジットで、それぞれの名前が出て、えーっ! ジュリエット・ルイス!?
えーっ! ゾーイ・ベル!?
あ、マーシャ・ゲイ・ハーデンだった!?
と驚いた。

…いわれてみると、そういう顔だったっけ。(笑)
なんにも知らずに映画を観るときの楽しみともいえるね、こういうビックリは。
ちなみにゾーイ・ベルさんは、タラちゃんの「デス・プルーフ in グラインドハウス」で、かなり名前が売れてます。

原題は“WHIP IT”。whipはムチの意味があり、そこから「ムチのようにしなる」イメージになるのだろう、ローラーゲームで「ホイップ」というのは、前の選手が後ろの選手を引っ張って、ムチのしなりのように前方へあおり出す(放り出す)こと。ホイップされた選手はスケーティングのスピードが増す。
「ホイップする」。これはゲームのなかのホイップに加えて、人生のホイップも、かけているタイトルだろう。
弾んで、前へ。
人生、そう生きたいよねえ。




〔2010年5月29日(土) TOHOシネマズ シャンテ〕


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