何も特別なことは起きない。
普通の日常。
普段の生活、ご近所さんとの交流が淡々とつづく。眠くなりそうかも。
ほとんどのシーンで食べたり飲んだりしているのは、人間の基本が飲食にあるということを言っているような気もする。
そして、川がある。「母なる水」、マザーウォーターが、人間の口に入る生き物も育てているはず。
小泉今日子さんがつくるコーヒーや、小林聡美さんがつくる水割り、市川実日子さんがつくる豆腐、そして光石研の経営する銭湯も、水が基本だ。
登場人物たちが、どんどんお互いに出会うのが、多少都合がいいように思うけれど、狭い町で店が少ないと考えれば、それほど不自然ではない。
きょうも機嫌よく、やんなさいよ、(だったかな?)という、もたいまさこおばあちゃん。
力を抜いて、生きることを楽しむ。
飲食にかかわるシーンは丁寧。水割りをつくるにしても、コーヒーをいれるにしても、手順を映す場合には、きちんと見せている。
食べるときには準備も大切だと言われているような。
きっと、容器からそのまま食べる、なんてしないのだろうなあ…。
もちろん私は小泉さんが出ているから観たわけだが、彼女は映画の空気に染まって、地ではないかと思える話し方をしていた。
ゆっくりとした、ちょっとなれなれしいような、甘い言い方。
演じていて、心地よかったんじゃないかなあ。自然でよかった。
彼女にコーヒーいれてもらいたい! お店で400円は高くない。
よけいなものはいらない。日々、食べていけるだけのものが稼げて、ゆっくり、のんびり。
食べて、飲んで、語らって、散歩して、昼寝して、草木をながめて、ちっちゃな子どもになごんで…
こういう暮らし、してみたい!(あ、映画の楽しみは加えてね。)
で、あとでネットの解説を見ると、「京都を舞台に描く癒しのスローライフ・ムービー」とあった。京都だったのか。