マザーウォーター

監督 松本佳奈
出演 小林聡美  小泉今日子  市川実日子  もたいまさこ  加瀬亮  永山詢斗  光石研  田熊直太郎
脚本 白木朋子  たかのいちこ
撮影 谷峰登
編集 普嶋信一
音楽 金子隆博
2010年作品 105分
好き度☆☆☆★


何も特別なことは起きない。
普通の日常。

普段の生活、ご近所さんとの交流が淡々とつづく。眠くなりそうかも。

ほとんどのシーンで食べたり飲んだりしているのは、人間の基本が飲食にあるということを言っているような気もする。
そして、川がある。「母なる水」、マザーウォーターが、人間の口に入る生き物も育てているはず。

小泉今日子さんがつくるコーヒーや、小林聡美さんがつくる水割り、市川実日子さんがつくる豆腐、そして光石研の経営する銭湯も、水が基本だ。

登場人物たちが、どんどんお互いに出会うのが、多少都合がいいように思うけれど、狭い町で店が少ないと考えれば、それほど不自然ではない。

きょうも機嫌よく、やんなさいよ、(だったかな?)という、もたいまさこおばあちゃん。
力を抜いて、生きることを楽しむ。

飲食にかかわるシーンは丁寧。水割りをつくるにしても、コーヒーをいれるにしても、手順を映す場合には、きちんと見せている。
食べるときには準備も大切だと言われているような。
きっと、容器からそのまま食べる、なんてしないのだろうなあ…。

もちろん私は小泉さんが出ているから観たわけだが、彼女は映画の空気に染まって、地ではないかと思える話し方をしていた。
ゆっくりとした、ちょっとなれなれしいような、甘い言い方。
演じていて、心地よかったんじゃないかなあ。自然でよかった。
彼女にコーヒーいれてもらいたい! お店で400円は高くない。

よけいなものはいらない。日々、食べていけるだけのものが稼げて、ゆっくり、のんびり。
食べて、飲んで、語らって、散歩して、昼寝して、草木をながめて、ちっちゃな子どもになごんで…
こういう暮らし、してみたい!(あ、映画の楽しみは加えてね。)

で、あとでネットの解説を見ると、「京都を舞台に描く癒しのスローライフ・ムービー」とあった。京都だったのか。




〔2010年10月30日(土) ワーナー・マイカル・シネマズ 板橋〕


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