チャンバラ合戦がすごい(時間的にも長い)と聞いて、観てみた。
ある国の殿様が、やがて徳川幕府の老中になると決まったけれど、極悪非道の振る舞いをする、この男が老中になったら、もう大変! ということで、彼の必殺指令が出る。
リーダーは役所広司。準備期間が短かったせいもあり、集められた人数は全部で12人。(途中で、ひとり加わって13人。)
以下、多少ネタばれ。
映画だからだろうけど、13人って少なすぎ。
それでも鉄砲でも用意すればいいのに、できなかったのか、使える腕がなかったのか。
攻め方にしても疑問が残る。映画ゆえに、チャンバラを盛大にやりたいのだ、ということは分かる。それを承知で言えば…。
もっと弓矢をたくさん用意して、接近戦に持ち込まないようにしたら、よかったのでは?
で、囲いの外に逃げる奴は斬る。
弓矢で大勢倒したとはいえ、まだ10倍以上の敵がいるわけでしょう。そこから斬り合いにするなんて、どうかしてるぜ。自殺行為。無謀にもほどがある。
ものすごく強そうな伊原剛志が正確には、なぜ、どのようにして、やられたのか(敵が多すぎたとか、不意打ちされたとか、単に疲れた!とか)が、よく分からなかったのも不満。私がよく観てなかっただけかな?(だって、誰が誰やら分からなくなってくるし。最初から分からない味方もいるし。)
松方弘樹が具体的に斬り倒される、その場面がない(ひとりで、くずおれてゆくシーンはある)のは、大御所だから斬られるのはNGだったりして?
同じような斬り合いが長く続くだけでは、観る感覚がマヒしてきて、ただ流されて観ているだけのような状態にもなってくる。もう少しアクセント、変化が欲しかったような。
伊勢谷友介は「七人の侍」だったら三船敏郎のようなポジションで、目立って得をしている。
稲垣吾郎は端正な(無)表情が、冷酷な若(ばか?)殿に似合ってよかった。
市村正親の、どんなにダメな殿でも守る、という愚直で一途な武士道もいい。
演出のパワフルさは、さすがに三池監督。
チャンバラ好きな方には、いいんじゃないかなあ?