十三人の刺客

監督 三池崇史
出演 役所広司  市村正親  山田孝之  伊勢谷友介  稲垣吾郎  松方弘樹  伊原剛志  沢村一樹  古田新太  窪田正孝  松本幸四郎  吹石一恵  谷村美月  岸部一徳  平幹次郎
原作 池宮彰一郎
脚本 天願大介
撮影 北信康
編集 山下健治
音楽 遠藤浩二
2010年作品 141分
好き度☆☆☆


チャンバラ合戦がすごい(時間的にも長い)と聞いて、観てみた。

ある国の殿様が、やがて徳川幕府の老中になると決まったけれど、極悪非道の振る舞いをする、この男が老中になったら、もう大変! ということで、彼の必殺指令が出る。

リーダーは役所広司。準備期間が短かったせいもあり、集められた人数は全部で12人。(途中で、ひとり加わって13人。)

以下、多少ネタばれ。
映画だからだろうけど、13人って少なすぎ。
それでも鉄砲でも用意すればいいのに、できなかったのか、使える腕がなかったのか。

攻め方にしても疑問が残る。映画ゆえに、チャンバラを盛大にやりたいのだ、ということは分かる。それを承知で言えば…。
もっと弓矢をたくさん用意して、接近戦に持ち込まないようにしたら、よかったのでは?
で、囲いの外に逃げる奴は斬る。
弓矢で大勢倒したとはいえ、まだ10倍以上の敵がいるわけでしょう。そこから斬り合いにするなんて、どうかしてるぜ。自殺行為。無謀にもほどがある。

ものすごく強そうな伊原剛志が正確には、なぜ、どのようにして、やられたのか(敵が多すぎたとか、不意打ちされたとか、単に疲れた!とか)が、よく分からなかったのも不満。私がよく観てなかっただけかな?(だって、誰が誰やら分からなくなってくるし。最初から分からない味方もいるし。)

松方弘樹が具体的に斬り倒される、その場面がない(ひとりで、くずおれてゆくシーンはある)のは、大御所だから斬られるのはNGだったりして?

同じような斬り合いが長く続くだけでは、観る感覚がマヒしてきて、ただ流されて観ているだけのような状態にもなってくる。もう少しアクセント、変化が欲しかったような。

伊勢谷友介は「七人の侍」だったら三船敏郎のようなポジションで、目立って得をしている。
稲垣吾郎は端正な(無)表情が、冷酷な若(ばか?)殿に似合ってよかった。
市村正親の、どんなにダメな殿でも守る、という愚直で一途な武士道もいい。

演出のパワフルさは、さすがに三池監督。
チャンバラ好きな方には、いいんじゃないかなあ?




〔2010年10月31日(日) ワーナー・マイカル・シネマズ 板橋〕


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