少林サッカー

少林足球 SHORIN SOCCER
共同脚本・監督 チャウ・シンチー
出演 チャウ・シンチー  ヴィッキー・チャオ  ン・マンタ  ウォン・ヤッフェイ  ティン・カイマン  モー・メイリン  リン・ゾーソォン  チェン・グォクン  パトリック・ツェー
2001年 香港作品 109分
香港電影金像奨…作品・監督・主演男優・助演男優(ウォン・ヤッフェイ)・音響効果・視覚効果・若手監督賞受賞
評価☆☆☆

少林拳法とサッカーが合体だ!
チャウ・シンチーという人、香港ではかなりの人気らしい。1990年ころからお笑い系映画をたくさん作っている。
香港のアカデミー賞・金像奨では13部門にノミネートされて主要部門を中心に7部門で受賞した。

かつては少林拳法でならした6人兄弟。いまではみんな他の仕事をしていたり、職なしだったりする。その彼らが、ふたたび結集し、今度はサッカーで旋風を巻き起こす話。
主人公は、驚異のキック力で「鋼鉄の脚」のあだ名を持つ。他の5人もユニーク。なんでも頭でぶつかる石頭の「鉄頭功」、お腹でボールをキープする姿が笑える「鎧の肌」、まるで器械体操のあん馬のような動きでボールをさばく「旋風脚」、いまはデブだが気合で空中を飛びます飛びます「軽功」、千手観音のように手を出してゴールを守るブルース・リーそっくりさんの「魔の手」。

ヒロインは中国の国民的アイドルという、ヴィッキー・チャオ。ヒロインは最初はブス、というオキテがあるようで、ふだんは髪で顔を隠しているが、顔じゅうが吹き出物でえらい顔になっている。
彼女が道端の饅頭屋さんで、太極拳で饅頭を作るところは唖然としつつも、おかしい。
周囲の人たちがいきなり燃えて、マイケル・ジャクソンのスリラーもどきを踊り出すのも笑える。

おかしい場面は体が震えるほどおかしいのだが、笑えないこともある。
酒場で受けない歌謡ショーをやった主人公兄弟が、腹を立てた客にさんざん殴る蹴るの仕打ちを受ける場面。そこまでするかということもあるが、殴る蹴るのどこが笑えるのか?と思う。
最初の練習試合でもケンカしてるし。まあ、こっちはそれが兄弟の少林精神復活を呼ぶわけだから、しかたないかもしれないが。
それに、ヒロインが整形して変なアンドロイドみたいになってしまったときに、化け物だ、とからかう。
冗談だよとも言うが、完全に冗談には思えないところがよくない。女性の容姿をギャグにするのは愚劣だ。それの何がおかしい? どこが笑えるのか?

チラシを見たら、クエンティン・タランティーノ監督が絶賛して、香港での大ヒットに注目したアメリカのミラマックス社も全米公開に乗り出したとのこと。

漫画チックなスーパーサッカーの場面は面白い。
ボールが地面を削りながら、うなり飛び、選手を吹き飛ばしたり。
監督自身、ブルース・リーのファンクラブの名誉会長というカンフー好きであり、日本のサッカーアニメ「キャプテン翼」のファンだったというから、うまくその2つをくっつけたわけだ。
〔2002年6月1日(土) ワーナー・マイカル・シネマズ 大井〕



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