観ているときは、めっちゃ面白くて、終わったらスカーッと何も残らないような娯楽作。
前作の「M:i:V」(2006年)では、イーサン・ハント(トム・クルーズ)の彼女ジュリア(ミシェル・モナハン)の出番が多くて、ハントの彼女に対する愛情や、彼女が危機に瀕したときの気持ちの高ぶりなどのエモーション(強い感情)があった。
だが、本作には、それがない。
彼女が出ないんだから仕方がないといえば、それはそうだが、では代わりにエモーションを生む仕掛けを作ってください、と言いたくなる。
また、「M:i:V」では存在感たっぷりだった敵(演ずるはフィリップ・シーモア・ホフマン)だが、今回はそこまでの大きさの相手ではない。
そうしたエモーションがなければ、心には残らない。記憶に残らない。単なる、その場だけの娯楽作品なのである。
それが悪いとは言わないが。
オープニングタイトルで、導火線に火がついて、映画のダイジェストシーンを見せていくのは、オリジナルのテレビシリーズ「スパイ大作戦」と同じで、ここは楽しかった。
やってくれるねえと、にんまりしながら観た。
交渉相手になりすまして敵をだます、というのも、「スパイ大作戦」にありそうなトリックで、いいね〜。
私はテレビの「スパイ大作戦」大好きなのだ。
「…○○秒後に消滅する」という指令も出てくるが、いつまでたっても消滅しないので、トムちんが電話ボックスまで行って叩くと、やっと消滅するというユーモラスなシーンは好き。
もしかして、ロシア製のものは出来が悪いという意味か!?(いや、それは深読みですね?)
トムちんのスーパーアクションはグレードアップ!
ビルの壁を登るシーンが宣伝に使われているが、映画の中盤よりも前に早々にその場面は登場したのではないか。
ほかにもアクションてんこ盛り。
そして走る走る。トム。短距離走みたいなピッチで長距離を走る。
どんだけスタミナあるねん。スパイは体力勝負か!?