スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃

STAR WARS EPISODE U: ATTACK OF THE CLONES
監督 ジョージ・ルーカス
出演 ユアン・マクレガー  ナタリー・ポートマン  へイデン・クリステンセン  クリストファー・リー  サミュエル・L・ジャクソン  フランク・オズ  イアン・マクダーミド
脚本 ジョージ・ルーカス  ジョナサン・へイルズ
2002年 アメリカ作品 142分
ゴールデンラズベリー賞…助演男優(ヘイデン・クリステンセン)・脚本賞受賞
評価☆☆☆

うーん、こんなもんか。
淡い不安(期待じゃないのか?)が当たってしまったヨーダ。

悪くはないよ。でも、新鮮味がないよ。それはしかたないことかもしれない。もう慣れてしまったのだ。この世界のことに。生半可なことではびっくりしない。同じことをしてみせても感動しない。
けっきょく、心からわくわくさせてはくれない。これは、作り手が以前のように、わくわくしてないからだと思う。そんなことはない、と言うだろう、作り手は。でも、たぶん、基本的にはそうなのだ。心の底では。
昔の情熱と同じだけのパワーは戻らないのだ。
そして、同じことは、観る側の私自身にも言えるのだろう。
それは我ながら、さみしいことだ。

くしくも、ユアンがインタビューでこう言っているのを見つけた。
旧3部作を観たときと同じ興奮を、新作を観て味わうことはできないだろうね。それは大人になった証だけど、寂しくも感じられる…」
ユアン、自分が出演してるのに、クールだなあ。さすが歌う詩人だ(映画が違うよ)。

今回は、若きアナキン・スカイウォーカー役が、ほとんど無名に近い、へイデン・クリステンセンという俳優。これは男の私が見るからだろうが、青二才である。そういう年頃、役柄だから、それでいいのかもしれないが、魅力を感じない。しかも、私のナタリー(マリリン、ニコール、ミシェル、その他大勢の彼女、ごめんね)と、まったりとキスをするのは、なんとしても許せーん。(-_-メ)
そんなことするから、君は堕落の道を辿ることになるのらぞ。

スピーダーのカーチェイスは「フィフス・エレメント」で観たような、コロシアムでの戦いは「グラディエーター」みたいな気もするし、ベルトコンベア上でのアクションも何かで観たことがあるようだし。それが悪いとは言わないが、そういったデジャブ・フィーリング(?)があったのは確かだ。

戦いでも、スキッとした爽快感がない。剣戟はいつもどおりだし。
戦闘機で標的を定めて…というような手に汗握るアクションらしいものがなかったせいか。重々しいのだ、戦闘が。物量的にも重いか。クローン軍団うじゃうじゃだし。

特撮やアクションで感動できないとなれば、物語でなんとかしてほしいが、ラブストーリーはたいしたことないし、アナキンと母親の話も、あまりに類型的で陳腐だ。とくに、母子が再会したと思ったら、いきなり母が…には、しらけた。がっくりきた。出来すぎである。悪い意味で、都合が良すぎないか。

でも、いろんな風景や背景の画像作りは凝ってる。細かく見たら、きっと楽しいだろうと思う。

劇場映画として初めて、ソニーの開発したデジタルカメラで全編を撮影したのも話題。映画撮影法のターニング・ポイントになりうる作品としての名前も残るかもしれない。

よかったのは、きれいなナタリーを観賞できたこと、ヨーダがとっても元気そうだったこと、ユアンが、ほんのちょっとアレック・ギネス(旧3部作のオビ=ワン・ケノービ役)っぽかったこと。

そして、今回はクリストファー・リーが登場。往年のドラキュラ役者、最近は「ロード・オブ・ザ・リング」で悪い魔法使いの役。このエピソード2でも役柄は、似たようなワルだ。
思えばエピソード4(「スター・ウォーズ」)では、リー演じるところのドラキュラの敵役ヴァン・ヘルシング教授を演じたピーター・カッシングも登場していた。このあたりは、ルーカスの遊び心なのか。

当初「スター・ウォーズ」は9部作と言っていたルーカス監督だが、けっきょくは6部作になるようで、そうすると、とにかく、3年後の次の作品で、すべての物語が出揃う。それは何だかんだ言っても楽しみである。
ユアンの顔がアレックに似てくるのか(そんなわけあるまい)、ナタリーはいったいどうなるのか。
へイデンはうまくアナキンを演じられるのか、そして、どのようなことがあって、あんなカブリモノ呼吸装置をかぶり、ダース・ベイダーになるのか。
さまざまな興味は尽きない。一応。

いろいろと文句を言いながら、それでも142分を長く感じずに見終わったのは、それなりに楽しんでいたということになろう。もう1回、お気楽に観たら、けっこう面白く観られるかもしれない。
デジタル撮影の映画だが、普通の映画館ではフィルムに焼き付けて上映しているとのことで、多少の画像の劣化はあるという。東京では、日比谷スカラ座で、撮影したままのデジタル方式上映が可能らしいので、そこで観てみたい気はしている。

と書いた後日、日比谷スカラ座で2回目を観賞した。
しかしながら、顕著な違いは感じられなかった。並べて比べて観たら違いが分かったのかもしれない。
最初に観た劇場が、もともと、かなりいい劇場設備だったこともあるのだろう。
そうすると、できる範囲で、なるべくいい設備の劇場で観るように努力すればいい、ということになるのかな。

そして、肝心の内容だが…2回目も、面白さ感度は前回とすっかり同じ。アップしなかった。
〔2002年7月6日(土) ワーナー・マイカル・シネマズ 大井〕



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