素晴らしい映画。半分以上は泣きながら観ていたと思う。
泣けるから、いい映画だとは言わない。
泣けるよ〜=素晴らしいよ〜、と言いたいわけでもない。
実際、泣かせにくるんじゃないかなという映画が好みというわけでもない。はじめから泣こうと思っているわけでもない。それでも泣けてしまったから正直に書いているだけなのだ。
しかし、なんの感情ももたらさない映画よりは、泣ける映画のほうがよほど素敵なことには違いないのではないか。
アメリカが受けた9.11。
ひとつの大事件のあとには、たくさんの傷が残される。
映画は9.11で父親を亡くした少年が主役。
彼は父が残した、ひとつの鍵の正体を突き止めようとすることで、父とのつながりをたぐりつづけ、喪失感を埋めようとする。
この少年を演じるトーマス・ホーンが、すごくいい。
2010年からテレビには出たことがあるらしいが、映画は初出演。どうして、こんなに自然で上手なの!?
あとに残された妻サンドラ・ブロックも、お隣の言葉を発せられないおじいちゃんマックス・フォン・シドーも、お父さんのトム・ハンクスも…みんなみんな、いい。
まったく文句なしです。
少年は、ある手がかりによって、大勢の人たちを訪問する計画を立てる。
この鍵に合う鍵穴は見つかるのか?
本作の監督スティーヴン・ダルドリーの「めぐりあう時間たち」は、とても感銘した作品で、今度もまた、それに匹敵するような、いい映画を見せてもらいました。
ありがとう!