ヒューゴの不思議な発明

HUGO
監督 マーティン・スコセッシ
出演 エイサ・バターフィールド  クロエ・グレース・モレッツ  ベン・キングズレー  ヘレン・マクローリー  サシャ・バロン・コーエン  ジュード・ロウ  エミリー・モーティマー  レイ・ウィンストン  クリストファー・リー
原作 ブライアン・セルズニック
脚本 ジョン・ローガン
撮影 ロバート・リチャードソン
編集 セルマ・スクーンメイカー
音楽 ハワード・ショア
2011年 アメリカ作品 126分
好き度☆☆☆☆


ヒューゴ、発明なんてしてないじゃん、と思ったけど、原作は「ユゴーの不思議な発明」なのでした。

私のなかでは、今まででいちばん効果的と思えた3D映画だった。
顔を突き出せば、画面のこちら側に、はみ出す勢いだし。

ふたりで映画館に忍び込んで、映画を楽しむ。
映画の創世記の功労者のような存在の人物に光を当てる。
駅のなかの人物模様にも、いろいろなドラマがある。

本作に登場する人物が行なってきた映画製作は、戦争によって、その前途を断たれてしまう。
物資も、人材も、なによりも映画を楽しむ気分も、戦争は奪う。
ただ、だからこそ、どんなときも映画という楽しみは存在するべきではないだろうか。戦争の悲惨な空気に負けないためにも。
本作は、そこまではっきりとは語っていないだろうけれど、映画の歴史を振り返り、映画への愛が、あふれるほどにあふれまくっている

少年が暮らすのが、駅の時計部屋(?)。
時計仕掛け、機械人形、義足、手品、からくり、…映画。みんな親せきのようなもの?

おもちゃ屋の主人が少年のノートを取り上げて、「これを燃やすつもりだ」という理不尽さに、なんで? おかしいだろ、それ! と怒りながら観ていたが、なるほど、そういうことだったんだ、とわかってくる。

私は映画検定を受けたことがあるので、あー、あの人が出てくるんだ! と思ったし、映画好きの人なら知っていて損はない、映画の歴史の、ひとこま

キートンが時計にぶら下がれば、少年も時計のところに逃げる。
列車が画面の向こうから突っ込んでくれば、実際に駅で列車が…。
そんなイメージのダブリも楽しい。

スコセッシ監督といえば、文芸ものを手がけたこともあるけれど、とくに最近では硬派な男の映画というイメージがある。
それが、こんなふうな映画を撮るとは、正直いって驚いた。

それにしても、…映画って楽しいね




〔2012年3月4日(日) ワーナー・マイカル・シネマズ 板橋〕


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