直球どまんなか! ストレートに伝わってくる。
試練。あきらめない心。笑顔。家族。心を揺さぶる快作!
愚直とも言えそうなくらい、素直に作ってあるお話。
実話の重みが、なによりも強いから、下手な細工は要らないのだろう。
全編、さわやかさと、涙と、感動の波にさらわれて、ただよっていた私である。
今年前半のマイ・ベストといってもいいかもしれない。
サーフィンを楽しみ、大会にも出場するほどの腕前のべサニー(アナソフィア・ロブ)。
だが、彼女はある事故に遭ってしまう…。
以前、彼女のことを、どこかで聞いたような気がするが、詳しくは知らなかった。こんなに素晴らしい話だったんだね。
べサニーを演じるアナソフィア・ロブさんは、女の子らしさや、気持ちの揺れ動くさま(意志の強さだけでなく、弱さも)を、じゅうぶんに表現していて好演。
困難にあっても、自分がどう生きたいのかを見つめ、チャレンジしていく。
そこには観る者の心を打つものが確実にある。その勇気に感動する。
これが、泣かせようとはしていないし、押しつけがましくもないのがいい!
彼女はあまり泣き言は言わない。しかし、気持ちを抑えられなくなるシーンもある。そこがいい。
挫折もする。でも、立ち上がる。
悲壮感などはなく、すがすがしい。
彼女の真摯な姿勢は、見ていて応援したくなるのだ。
そして自分も少しは頑張らなきゃな、と思わせてくれる。もちろん、押しつけがましくなく。
べサニー本人が言っている。
「わたしは映画を観て、感動してほしいわけじゃない。どうして自分だけ?という思いに負けないでほしい」
真実の物語に基づく、という映画は多数あるが、本作ほど素敵で、勇気をもらえる作品は、そう多くはないと思う。
べサニーの転機となったのは、スマトラ島沖地震の被害地にボランティアに出かけたときの経験だった。
彼女は、ここで、自分が事故にあったことの意味を見つける。
彼女は、キリスト教の伝道師に従ってボランティアに行く。私自身のことを言えば、宗教めいたことで人をあやつるなどというのは好きではないが、この映画の場合は「よき人生の師」といえそうな、理想的な活動をしているように見えた。
いまどき驚くことでもないのかもしれないが、「在るべきもの」を「消して加工する」CGの場面が、とても多いのにもかかわらず、まるで自然に、そうであるかのように見せている技術には、まったく感心してしまう。
ひとりの女の子の成長物語としても、家族の物語としても秀逸。
感激しやすい私は、さわやかな涙の洪水。
ああ、あの映画にも、その映画にも感動しなかったけど、ひねくれてなかったんだ、ワタシは! なんて思ったのだった。(笑)
ラスト、表彰台で、こういうふうにならないかなー? と望んだとおりになって、うれしかったよ!(上の画像は、違うシーンです。)
善意や思いやり、素直な気持ちには、やっぱりジーンとくる。
エンドロールで、べサニー本人や、家族の映像が出てくるのにも感動! そのビデオの映像には、映画で再現されていたシーンもあった。
さわやかに泣いて、元気と勇気を受け取ろう! (どうもベタな言い方だが、本当なのだから、しかたがない。)
何かに負けそうで、心が折れそうな気分の人、ためしに、この映画を見てみて。