悪趣味なゲームだが、現実世界と似ていないこともないあたりが気持ち悪い。
つまり、全体的な構造、ひとつずつ言えば、争い、衝突、徴兵、暴動、戦争、支配などなど。
文明崩壊後のアメリカ。独裁国家が、その支配力を維持するために、統治する12の地区から代表を選び、最後のひとりになるまで殺し合いをさせる。
そのゲームはテレビ放送され、支配側富裕層の娯楽になっている。
この映画を単なるエンタメとして楽しんでいるならいいが、それにしても、人間の闘争本能みたいなものは消えないものなのだなと、ため息をつきたくもなる。
たぶん、原作者は、このゲームの仕組みに、揶揄とか皮肉とか警鐘の意味を込めているのだろう…と思いたい。
ひとりの女が選ぶ「くじ引き」で、ほぼ死ぬことになる代表を決められたり、「ほぼ死ぬことになる代表」なのに、ニコニコと晴れがましそうにイベントに出たりインタビューに答えたり。
これが皮肉でなくて何でしょう?
ゲームに入るまでの話が長いけれども、選ばれて、チームとなって、訓練して…と、ていねいにステップを踏んでいくわけで、長いとはいえ、退屈ではなかった。
参加者24人が知恵をしぼっての戦いだと考えて観ていたら、なんと、さらなる困難が待ち構えていて…。
常道というべきか、恋愛モードも出現。(笑)
それがあれば、受ける、というわけなのだろうけど。
ジェニファー・ローレンスの、反骨精神が、かっこいい。
独裁国家が、どのように、やりかえしてくるのか、それに対して12の地区がどう対応するのか。続編には興味がある。