リアル〜完全なる首長竜の日〜

監督 黒沢清
出演 佐藤健  綾瀬はるか  中谷美紀  オダギリジョー  染谷将太  小泉今日子  堀部圭亮  松重豊  浜野謙太
原作 乾緑郎
脚本 黒沢清  田中幸子
撮影 芦澤明子
編集 佐藤崇
音楽 羽岡佳
2013年 127分
好き度☆☆☆


小泉今日子さんが出ているから観る。

ファンの私にすれば当然である。たとえ1シーン、推定5分未満の出演であっても!

黒沢監督とは、「贖罪」の監督・主演という、つながりがあるから、友情出演のようなものだったのだろう。
息子の浩市(佐藤健)が捜し物をしに実家に来たときに出迎えて、少し会話をする。彼女は、浩市の父親ではない、新たな男性と暮らし始めているのだが、物語の大筋には関係がないのだった。

さて、物語は、昏睡状態の妻・淳美(綾瀬はるか)の意識のなかに入る(この技術をセンシングという)浩市を描いていく。
淳美は、おどろおどろしい漫画を生業にしていたので、浩市の目(意識?)にも、ときおり恐ろしいイメージが飛び込んできたりする。
怖さは黒沢監督の得意分野であろうけれど、私としては、いろんな映画で慣れているのか、それほどでもない。
かえって、浩市が車を運転するシーンで、事故に遭ったりするのではないかと、ヒヤヒヤした。
車が走り、外の景色が流れていくビジュアルが、少し普通じゃないのだ。あとから思えば、このあたりも、なるほどと納得できることだった。

中谷美紀さん演じる女医も、どこか冷たい感じで、浩市の体験を聞き出して、なにか企んでいる悪い人なんじゃないかと思ったり。
意識下で出遭う淳美以外の人間をフィロソフィカル・ゾンビというのだが、無表情でゆっくりと動き、顔が銀色っぽい(?)。
おなじみの俳優の顔が、フィロソフィカル・ゾンビを演じているのを見ると、笑いそうになってしまった。(特に、松重豊。)

途中で急展開があり、首長竜も出てくる。
あるシーンの怖さは「グエムル -漢江(ハンガン)の怪物-」を思い起こさせた。

首長竜と対決するなら、やっぱり陸の上ですね。ヒレを使って地面を進むのは大変だから。
エンディングも含め、何がリアルで何が幻想なのか、そんな雰囲気も面白いのでは?




〔2013年6月1日(土) TOHOシネマズ 有楽座〕


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