ペーパーボーイ 真夏の引力

THE PAPERBOY
監督 リー・ダニエルズ
出演 ニコール・キッドマン  ザック・エフロン  メイシー・グレイ  マシュー・マコノヒー  ジョン・キューザック  デヴィッド・オイェロウォ  スコット・グレン  ネッド・ベラミー  ニーラ・ゴードン
原作 ピート・デクスター
脚本 ピート・デクスター  リー・ダニエルズ
撮影 ロベルト・シェイファー
編集 ジョー・クロッツ
音楽 マリオ・グリゴロフ
2012年 アメリカ作品 107分
好き度☆☆☆★


なんたって、ニコールにブッタマゲタ!

最初に登場したとき、ニコールなのか? え、そうなのか? って、しばらく観察したくらい、変装して、いや、メイクなんかで印象を変えている
言葉も、なまってるし。
そして、色っぽい。
「四十女の…」なんていう解説があるが、もう、いいです!(何がいいのかわからないが)
好きです。相変わらず。ニコール。貴女のことが。

刑務所でエアーファ×クしてもいいじゃないか
海岸でクラゲに刺された男(を助けるため)に、おしっこかけてもいいじゃないか
私も(ニコールなら)かけられてもいい。

ちなみに私は昔、電気クラゲに刺されたとき、庭にあるアロエの葉をとってきて、汁を塗った。正しい対処法かどうかわからないが、一応なんとなく、腫れや痛みは引いていった。

さて、映画はニコールの、女優ならではの「いつもと違う役」をやりたい欲求が今回もハジケ飛んでいるわけだが、冷静になって考えてみると、ナニをするにもパンティや水着のパンツまでは脱いでいないのは惜しい。残念である。いったい、どういうわけだ。

ザックはブリーフ一丁でウロチョロするわ、マシューはいきなりトンデモナイものを見せてくれるわ、どんな凶悪犯が出るのかと思えばジョン・キューザックが出てきたので苦笑いしてしまうわ(これは意外な人選を狙ったんだろうが)、いろいろと、うわ〜、である。

物語の語り手として登場してくる、メイドの黒人女性が良かった。しゃべり方も存在感も。
メイシー・グレイさんという、歌手の方だそうで、1999年にファーストアルバムを出しているくらい、キャリアがある。映画も(テレビを含めて)けっこう出ているみたい。
ネットで歌声も聴いてみたが、あの独特の感じ、うんうん、映画と同じだ!
黒人差別のことは、彼女に対する扱いを通じて語られる。映画の舞台は1969年のフロリダ州で、やっぱり差別はあるんですね。

沼地の奥の閉ざされたような地に住む、うさんくさい人々。ワニの腹を裂いて、はみだす内臓…(うえーっ)
アメリカ南部の暑苦しさ、もわんとした空気(気候的にも精神的にも)が感じられるのは、なかなかのもの。
めったに邦題をほめたことないけど、本作の邦題の副題「真夏の引力」って、けっこう、いい線いってると思う。
でも、原作がベストセラー小説って…そんなに面白い小説なのだろうか。

とにかく、真夏の今に観るのには、ぴったりの、じとじとべっとりと暑苦しくて、エロくて、切なくて、グロくて、気分が悪い映画。
でも、映画としては、変わりダネ具合が面白いとも言える。
そして、もちろん、ニコール・ファンなら、彼女の演技者としての何度目かの大胆な挑戦の結果を確認して堪能できるはず




〔2013年8月7日(水) ヒューマントラストシネマ有楽町〕


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