エリジウム

ELYSIUM
脚本・監督 ニール・ブロムカンプ
出演 マット・デイモン、シャールト・コプリー、ジョディ・フォスター、アリシー・ブラガ、ディエゴ・ルナ、ワグネル・モウラ、ウィリアム・フィクトナー
撮影 トレント・オパロック
編集 ジュリアン・クラーク  リー・スミス
音楽 ライアン・エイモン
2013年 アメリカ作品 109分
好き度☆☆


なんで、そんなことするの? という疑問続出。

おばかで笑えるツッコミどころではなく、真面目にやってる映画らしいから、もう、これはダメダメ。
以下、物語の筋をなぞるので、すべてネタばれ。
この映画が好きで、けなす文章を読んだら真面目に怒る方は、読むなかれ。笑って読める方だけ、どうぞ。

発端からして、どうなのか。前科があるのに、監視ロボット(?)に疑われそうな荷物持ってて、しかも口答えして深みにハマるマックス(まっと・でいもん)。
頭が悪いのか、学習しないのか。

装着される機械だって、肉体にもろに差し込んでるよ。そういう機械しかないの? フツーの部屋に、いきなり手術セットみたいに用意して、そんなに簡単にできるの? 痛いぞ〜なんて言ってたが、どうでもいいが、麻酔してた?
将来、元気になったとき、その機械、取り外すの? はずせるの? 痛いよ。

エリジウムの防衛長官デラコート(ジョディ・フォスター)が、侵入機を撃ち落とすのに、「クルーガー」を使うって、何かと思ったら、地球にいるひとりの男じゃないですか。エリジウムに防衛用の飛行機とか武器があるなら使えばいいのに、ないの? わざわざ遠くの地球から、しかも、たったひとりの男に任せるなんて。理由が分からん。クルーガー(シャールト・コプリー)がどういう立場の人間なのか、ここで説明するためとしか思えない。本末転倒。

クルーガー、なんで、いきなり日本刀使ってんの?

マックス、助けてくれたオバちゃんに、しっかりお礼も言わんと去っていく。オバちゃん、助け損としか言えない。

マックスがクルーガーの船(か何だか知らんが、どうでもいい。シャトルか? 船にしとく)に乗ってエリジウムに行く途中、もうすぐ着くよってときに至って、何だって、わざわざ、マックスの持っている手榴弾を取り上げようとするか? もっと早くやりゃいいのに、到着のすぐ前にそういうことするってことは、その時点で爆発させて、ストーリー上、都合よく「エリジウムに不時着(墜落)させるため」としか思えないでしょうが?

そのあと、地球からの船が、すい〜っとエリジウムに何の支障もなく入ってきた。誰か見張ってないわけ? 1機不時着したら、もう、それの対処だけで防衛体制、穴だらけなの?

で、戦闘状態だからといって、防衛長官が総裁よりも権限を持っちゃった。そういう法律なのかもしれないが、総裁が防衛長官に抗議するも、どうにもならないという、分かりやすい立場逆転を目の前で見せられたら、もう笑うしかない。

扉が開かれたかのようなラストは多少いい気分にはなるが、だが、しかし、みんなを健康にしたって、住んでる地球がそのまんまじゃ、どうするの? エリジウムって、全員が移住できる余地があるの? 

観ている、ところどころで、そういう白ける安易で薄っぺらで大ざっぱなアホくささが出るので、気分は下げ下げで終わった。
そういう気分だと、自己犠牲ですら、(そんなわけないだろうが)ご都合主義かと思えて感動しなくなってしまう。あっそ、って感じで。




〔2013年9月23日(月) ユナイテッド・シネマ としまえん〕


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