マリリン・モンロー 瞳の中の秘密

LOVE, MARILYN
脚本・監督 リズ・ガルバス
出演 マリリン・モンロー  グレン・クローズ  マリサ・トメイ  ヴィオラ・デイヴィス  ユマ・サーマン  ジェニファー・イーリー  リリ・テイラー  エレン・バースティン  エリザベス・バンクス  エヴァン・レイチェル・ウッド  リンジー・ローハン
撮影 マリス・アルベルチ
編集 アジン・サマリ
音楽 フィリップ・シェパード
2012年 アメリカ・フランス作品 108分
好き度☆☆☆☆☆


マリリンが書き残した言葉を、いまの女優たちがカメラの前で語る。並行して、マリリンや周辺関係者自身のフィルムなどを映しつつ、マリリン・モンローという女優の人生が描かれていく。

以前、当ブログでも記事にした本、「マリリン・モンロー 魂のかけら―残された自筆メモ・詩・手紙」をもとにした映画があり、日本公開が10月5日と知ったのは、はっきりと覚えてはいないが、わりと最近のことだったような気がする。
Webでもテレビでも雑誌でも、新作映画情報は進んでチェックはしていないので、まったく、情報通ではないのだ。

女優さんたちがマリリンの言葉を映画で語る、そのくらいの知識しか頭に入れずに、初日初回を観に行った。
日本マリリン・モンロー・クラブの仲間総勢4名で!(4人で総勢などとは言わないか…)
9時10分開映ですよ! 朝早っ! 私は朝型人間なので平気だが。
関東では、新宿ピカデリーと京成ローザ10でしか上映されないのに、劇場内は、それほど混んではいなかった…。朝いちの回のせいか?

マリリンの言葉を語ってくれる10人の女優は、アルファベット順に、エリザベス・バンクス、エレン・バースティン、グレン・クローズ、ヴィオラ・デイヴィス、ジェニファー・イーリー、リンジー・ローハン、リリ・テイラー、ユマ・サーマン、マリサ・トメイ、エヴァン・レイチェル・ウッド。
マリリン好きを公言しているリンジーのほかは、実際どれほどマリリンが好きなのかは分からないが…。(ユマ・サーマンは、マリリンを題材にしたドラマ「SMASH」でマリリン役を演じたことがある。)

マリリンだけでなく、マリリンの周辺にあった人物たちをも、俳優が演じて、カメラの前で語っている。
こちらも俳優の名前のアルファベット順に。
F・マーレイ・エイブラハムは医師のラルフ・グリーンソン、エイドリアン・ブロディは作家のトルーマン・カポーティ、ホープ・デイヴィスは作家のグロリア・スタイネム、ベン・フォスターは作家のノーマン・メイラー、ポール・ジアマッティは監督のジョージ・キューカー、ジャック・ヒューストンは作家で詩人のノーマン・ロステン、スティーヴン・ラングはアクターズ・スタジオの主宰者リー・ストラスバーグ、ジャネット・マクティアは演技コーチのナターシャ・ライテス、ジェレミー・ピヴェンは監督のエリア・カザン、オリヴァー・プラットは監督のビリー・ワイルダー、デヴィッド・ストラザーンは作家でマリリンの夫だったアーサー・ミラーを、それぞれ演じる。

こうやって挙げてくると、けっこうな顔ぶれだ。
ほかに、俳優が演じるのではなく、本人その人のインタビュー映像も入ってくる。スーザン・ストラスバーグや、ミルトン・グリーン(マリリンの独立プロダクションをマリリンと共同で立ち上げたカメラマン)の奥さんであるエイミー・グリーン、カメラマンのジョージ・バリス、監督のビリー・ワイルダー、監督のジョシュア・ローガン、ジャック・レモン、イーライ・ウォラック、ベン・ギャザラ、ローレンス・オリヴィエ、「王子と踊子」の助監督コリン・クラーク(彼の書いた回想録は映画「マリリン 7日間の恋」になった)など。

もちろん、マリリンについては映像もインタビュー音声もあるし、マリリンの夫だった元野球選手ジョー・ディマジオ、アーサー・ミラー、20世紀フォックスのプロデューサーのダリル・F・ザナック、ジェーン・ラッセル、ローレン・バコール、クラーク・ゲイブル、グルーチョ・マルクスなどの映像も見ることができる。

マリリンの女優ストーリーとしては、いままでに映像化もされたり、ファンとしては本で読んでいたりして、新たに知って驚くようなことはない。
ただ、そこにマリリン自身の言葉が乗っかってきて、それを大勢の女優さんのセリフで表現しているところが新しいといえる。

感想というより、映画紹介になったが…。
マリリン・モンローという稀有の女優のことを、この映画を観て、少しでも深く知ってほしい。
そして、これだけにとどまらずに、彼女の映画や本、写真集などにまで興味を広げるほどのファンになってくれたらなあと願う。

いっしょに観に行った4人とも、帰りに、ぴあ調査隊につかまって、感想を聞かれたよ!

最後にひとつ、どうしても言いたいのは、「バス停留所」のシーンで、シェリー(マリリン)が、ボー(ドン・マレー)の名前を言うのだけど、字幕が「ボブ」となっていたのだ!
ボーは私のハンドルネームでもあり、これは結構な残念度だった。
シナリオに「ボブ」と書いてあったのだろうか。それでも、これはマリリンについての映画なのだから、その彼女の主演作に出てくる人名、しかも2番目の主役の名前を間違えないくらいの配慮が欲しかった。




〔2013年10月5日(土) 新宿ピカデリー〕


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