この撮影、いったい、どうやっているんだろう!?
もう、驚きの映像だよ、これは!
もしかして、ほとんどCGか?
この映像を体験するには、映画館でしか有り得ない。IMAXなら、なおさらいいと思う。
しょっぱなから、宇宙空間で、宇宙服で、宇宙のなかにいる人間。
以下、結末を含むネタばれがありますので、ご注意を。
アクシデントが起きて、だだっ広い何もないなかに放り出されてしまうサンドラ・ブロックさん(もちろん役名でなくて俳優名ですよ)。
彼女がどのようにサバイバルして(生き永らえて)いくのか、という映画。
もう、宇宙のなかを漂流するだけで、観ているこちらも絶望しそうで、泣きそうな気分に。
酸素は少なくなってくるわ、船は見えないわで、どうすりゃいいの、というか、どうしようもない。
でも、どうしようもないとすると、映画が終わってしまうか、あの世の話になっちゃうので。
ここでポイント。ジョージ・クルーニーが出演しているんですね、大物です。
生存するためのプランとしては、無事に存在する他国の宇宙船にたどりついて、そこから、また…というふうにして、地球に戻れる船に乗り込むこと。
これを、ひとりでやる。胃が痛くなるのなんか通り越した、通り越し過ぎたくらいの決死の行動です。
サンドラはとりあえず、ある宇宙船の中に入ることができます。
そこで宇宙服を脱ぐんですね。
もちろん、ヌードではないし、いやらしい意味ではなく、彼女の肉体が、ハッとするほど素晴らしいのです!
ここまで、ずっと宇宙服だったから、ということもあるけど、人間の身体、生きている肉体、生命、というものを強く、強く、感じさせたのですよ。
ここで、この映画がサンドラである理由を納得。
もしも、貧弱な肉体の女優さんだったら、この非情な宇宙のなかで、ただひとり奮闘し、生命の力強さを表現する、なんてことはできない。
それはラストで地球の大地の上に生還したときも同様。
彼女の肉体は、まさに生命の輝きであり、重力(映画の原題)の束縛のあるなかで力強く歩き出す。
生きていることの素晴らしさ、あきらめなかったことの大事さが、一気に押し寄せるエンディング。
あきらめないこと、といっても、ただ単に「あきらめるな」という内容ではなかったところもいい。
一度はあきらめるのだ、彼女は。
何があってもあきらめないわ、ガウー! みたいでなくて、そういう、ごく普通っぽい人間味をちゃんと出している。
乗り越えて、乗り越えて、がんばって、どうにかこうにか…というのが感動なのだ。
23日、もういちど観に行きます。