バースデイ・ガール

BIRTHDAY GIRL
監督 ジェズ・バターワース
出演 ニコール・キッドマン  ベン・チャップリン  ヴァンサン・カッセル  マチュー・カソヴィッツ
脚本 ジェズ・バターワース  トム・バターワース
2001年 イギリス・アメリカ作品 93分
評価☆☆☆

ほとんど何の予備知識もないまま、観に行った。
分かっているのは、ニコール・キッドマンが出ているということと、彼女が男のもとに嫁に来るが、何やら正体不明っぽい女性であるらしいことだけ。

観に来たのは、有楽町駅からそう遠くないところにある、有楽町スバル座。
一度くらい来たことがあったような気がするが、忘れている。それほどめったに来ない劇場だが、ここで封切られてきた映画が、ロビーの壁に写真付きで張り出されて紹介されていた。
昭和20年代から始まって、なつかしの名画のタイトルがいろいろと並んでいた。歴史のある劇場なんだと感心した。

公開初日の初回のせいか、入口で待ち受けられる歓待(?)を受け、プレゼントをもらった。
ラジカル鈴木氏の描いた、ニコールのファッション似顔絵絵葉書3枚セット。個性のあるイラストで、特に似せて描こうとしている感じではない。
こういう特典をもらうと、なんとなくお得感で嬉しい、単純な私だ。

「あの」ニコールが主演というのに、どうも話題になっていないように思っていたが、観客の入りも100人に満たないようだ。朝いちのせいもあるのか。

映画が始まった。ベン・チャップリン登場。私が観ているなかでは、「シン・レッド・ライン」に出ていたらしいが、あんまり記憶にない。あの映画自体、たいして記憶に残ってないからなあ。
ほんとに普通の、人のいいあんちゃんみたいで、眉毛なんかは濃い顔立ち。

彼がビデオカメラに向かって(見たことない形のカメラだったが、日本にはあるのかな?)自己紹介。
パソコンで結婚相手探しだ。登録されている女性は、みんなロシア人のようだ。
会の名前が「ロシアより愛をこめて」だ(笑)。

クリック。相手を決めて申しこむ。次のシーンでは、もう空港へ彼女を迎えに行っている。早いな。
空港へ行った男の前に現れたのは、もちろんニコール。この登場シーンがいい

濃いめのアイメイクで、エキゾティックな雰囲気を醸し出し、ひとり、すらりと、その場に立っている。うーん、素敵だ!

見目麗しいお嫁さんをゲットした男だが、彼女、英語を喋らない。こりゃ話が違うと、ネット「ロシアより愛をこめて」に連絡を取ろうとするが、全然、相手は電話に出ない。
自分が追い出されようとしていると察した彼女は、彼に対して強引に肉体関係を迫り…

さて、ここでニコールのヌードが拝めちゃうのだ。後ろ姿のオールヌード! ああ、観に来てよかったと神に感謝する瞬間。
ニコールのサービス精神に拍手! オールヌードを映す必然性はないんだから。
サービスといえば、川で水着で遊ぶシーンもあるぞ。

2人仲良くやってると、彼女が、露英辞典を引き引き、きょうは私のバースデイ、と言い出す。
その日やって来たのが、彼女の親戚だという男と、その友人。
これが、マチュー・カソヴィッツ(私には「アメリ」でお馴染み)と、ヴァンサン・カッセル(私には「ジェヴォーダンの獣」でお馴染み)。
私はニコールの他のキャストを知らなかったので、2人が出てきて、ちょっと驚いた。

この2人、役柄はロシア人なので、ニコールと3人でロシア語会話が始まった。
ニコールはオーストラリア育ちのアメリカ人、マチューとヴァンサンはフランス人。実際はロシア人じゃない人たちがロシア語を喋りまくってるのだから、なかなかヘンな光景だ。
しかも、みんなロシア語が上手。といっても、正しいロシア語を喋ってるのかどうかは分からないが。とにかく上手そうに聞こえる。
マチューとヴァンサンは、撮影にやって来る飛行機のなかでロシア語を覚えたという。そんな簡単なもんで、ちゃんと話せるのか? 羨ましい。
何にしろ、俳優という仕事は、こんな苦労もあるもんだ、と思った。

さて、話はここから急転直下。彼と彼女の甘い生活は、いったいどうなる?

印象としては、小粒な作品。ニコールを観るだけの映画といってもいいかもしれない。彼女が出ていなかったら、たいしたことはない。
豪華大作ではないし、かといって、ぴりりと粋にまとまった作品にもなりきれていない、ちょいと半端になってしまった。
評価は、ニコールのスターらしい見栄えの魅力に、星1つをおまけした。

ネットで結婚相手を探すというのは、イギリスでも盛んなのだろうか。この映画では、それがロシア女性が対象というのがユニーク。イギリスに住みたいというロシア女性は、実際にも多いのか。

ラストクレジットを見ていたら、ニコールのヘア&メイク担当が、日本人女性だった。
ニコールのヘア&メイクが担当できるなんて、やりがいがあるし、嬉しいことだったのではないだろうか。こういうふうに、海外の映画で活躍する日本人スタッフも増えてきているようだ。

映画が終わってロビーに出ると、片隅で数人の若い男女が、映画の感想を聞かれている場面に遭遇した。「ぴあ」か?
なんで私に聞かない? スタッフが若いようだったので、やはり聞くのも若い人相手のほうが聞きやすいのだろうか?
〔2002年11月16日(土) スバル座〕



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