これは前篇と続けて観たかった。
先行上映に行ったものの、それでもワンクッション入ったことで、頭が冷めた部分があるというか、情報を整理する間があったというか、勢いのままに見ていくパワーが少し削がれたと思う。
これから見る方は、謎解き要素の入った映画の性質上、以下読まないほうがいいと思いますが、悪くはないですよ。
子どもたちの裁判のことだけでなく、親子の関係も、さまざま描かれているし。
ただ、想像するに、長い原作からは抜けているところも多いのではないかと。
いちばんわからないのは、亡くなった少年の考え方。これは原作では、もっと書かれているんじゃないかなあと思うのだが。
ネタばれになるから書かないが、ちょっと「その行動、わからないなあ」と感じてしまう。
「口先だけの偽善者」というセリフも、やたらに使われると、ただの口癖なんじゃないか?と観客に思われないか、なんて危ぶんでしまいそうになる。
いやいや、言われたほうは重大に傷ついていますけどね。
ちょっと、あれ、どうなんだろうと思ったのは、涼子が父親の賛成を得られずに、雨の中、外に飛び出し、父親が追いかけるシーン。
なんだか、いかにも安っぽいドラマにありがちなベタな展開で、観ていて恥ずかしいような気持ちになった。
「中学生が学校内裁判をする」というのが、もっとも大きなネタだろう。
ソロモンというのが何かと調べてみて、知恵者のことを言っているのかなと考えると、その偽証というタイトル、見終わってからならば、なるほどねと。
オーディションで選ばれた生徒役の子たちだけど、法廷シーンでは藤野涼子さんと板垣瑞生くん、検事と弁護人のほとんど2人の活躍のみ。場面が場面だけに、しょうがないのか。
前後篇合わせて、いちばん印象に残ったのは、石井杏奈さんでした。